「今日はどうしたの?」
いつもは外でベタベタしないカズが、
ぺったんとくっついてくる。
放課後の教室。
職員室から帰ってきたら、カズと話していた生田が「じゃあな」と出ていく。
「待っててくれたんだ」
『何時になるかわからないのに、
だらだら待ってるなんて嫌だよ。
先に帰るからね、ボクは』
そう言っていたから、いないだろうと思ってたから嬉しくて近づいていった。
そしたら、ぺったん。だって。
「か、カズ?」
「このまま・・・ね、潤くん、このままいて」
「うん・・・」
シャンプーの香りのする髪に顔を埋め、
あ、そうか、今日は29日だからカズがこんなに素直なのかな・・・?