キミ・ハ・ムテキ 番外編 (白練) | ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

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嵐が大好物
J担 翔潤loverですが、櫻葉&大宮何でもアリです(妄想、腐ってます)

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絶対に申請認定しませんから。


 
「これね?みんなで使おうと思って買ったの」

食事中だったんだけど、席を立って寝室に行く。

クローゼットの中に隠しておいた、にっこりと笑った口が描かれた箱。

大事に大事に持って来てぺりぺりと箱を開ける。

みんなの視線が集まってるのが分かる。食べる手を止めて、ボクの方にみんなが来た。

ふふふ、みんなで集まったときに使えるおそろいのグラスが欲しかったんだ。

ずっとさがしてて、なかなかいいのが見つからなくて。翔くんに聞けばすぐに見つけてくれるのは分かってたんだけど、内緒にしてたかったから、欲しいって思ってから1ヶ月もかかっちゃった。

それだけに、みんなに披露するのが楽しみだったんだぁ。みんな、どんな反応してくれるかなぁ?

1つずつ、グラスを取り出して、それぞれに手渡しする。

「これはねぇ、翔くん。翔くんは『珊瑚』の色」

 
 「へぇ、なんか切子ガラスとか琉球ガラスともちょっと違うな・・・」

「そ、津軽びいどろって言うんだよ?キレイでしょ?」

「だね。ありがとう、潤」

ほっぺたにチュッてされて、ボクはご満悦。

「これは、大野さん。もう少し明るい『露草』って言うのもあったんだけど、大野さんのイメージだとこっちの『紺青』がしっくりきたから、これにしたの」

 
「おいらの事考えて、潤が選んでくれたのがうれしい。ありがとな」

大野さんは、鼻にチューなの?でも、喜んでもらえて良かった。うん、やっぱり『紺青』の方が大野さんのイメージだ。

「潤くん、おれのは?」

「ワタシのは?ねぇ、J ワタシの!」

「も~、順番!これがカズのだよ」

「この色はなんていうの?キレイだね・・・色鉛筆を走らせたみたい」

手にしたグラスをいろんな角度から覗き込むカズ。

「カズは『菜の花』、で、こっちの『翡翠』が相葉くん。どっちも見てすぐに決まったの。っていうかこの2色のグラスの色がとてもステキだったから、他のはどうなのかなって調べて、そしたらみんなステキだったからこのグラスにしたんだぁ」 

   
カズの反応が嬉しくってニコってしたら、口唇にチュッてされる。

相葉くんはグラスを持ったまま、固まってる。

「どおしたの?気にいらなかった?」

心配になって相葉くんの顔をのぞきこんだら、目が潤んでる・・・。

グラスを置いた相葉くんはボクを抱き寄せ、鼻を鳴らす。

「潤くん・・・潤くん・・・ありがと、ありがと・・・あり、がとぉ・・・」

相葉くんは感動屋さんなんだから。泣かなくってもいいのに・・・。しょうがないんだから、もぉ。

ボクは「泣かないで、相葉くん」って口唇にキスした。そしたら、相葉くんからはキスの嵐が降って来て、ひゃーってしてたら、みんなが相葉くんをボクから引き剥した。

「で?潤のは?」

相葉くんを羽交い絞めにした翔くんがボクのも見せてって・・・。すごく迷ってこれにしたんだけど、やっぱちょっと恥ずかしいな・・・。

「『藤』ってのもあったの。あったんだけど、なんか違うなって思ったの」

「うん?」

「どうしました、J 見せてくれないんですか?」

「潤くんの、見たいよ。きっと潤くんの色だからキレイな名前のキレイなグラスなんでしょ?」

「うん・・・見せる・・・」

でも、なかなか取りだせないボクにじれたみんなが一斉に箱の中を覗く・・・。そこにあるのは、
   
 「真っ白だ・・・」

「うん真っ白だね」

「『白練』・・・これが、ボクの・・・」

たぶん、ボク、今、耳まで赤くなってると思う。

みんなのグラスを集めて、その前にボクのグラスを置く。立ち上がって棚の上に置いたアロマキャンドルに火をつけてグラスの後ろ側に置いた。

ゆらゆらとした炎が描き出すのはみんなのグラスから伸びた色がボクのグラスを染め上げる光景。

「ああ、いいね」と大野さん。

「そうだね、潤そのものだ」と翔くんが言えば、

「確かに J です」

「潤くんがみんなの色で輝いてる」とカズと相葉くんが微笑む。


大好きなみんなの色でボクは染められて行く。どれか1つ選んで近づければ、その色に染まる。

ボクは何色にでもなれるけど、どれか1つの色にはならない。

 

キミ・ハ・ムテキ 番外編 (白練) ・・・fin