キミ・ハ・ムテキ ⑭(マンサク)1/8 | ビールと猫'sと嵐さんと(注・BL)

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嵐が大好物
J担 翔潤loverですが、櫻葉&大宮何でもアリです(妄想、腐ってます)

人の勧誘目的、宣伝目的、男性は入室されないでください。
絶対に申請認定しませんから。


マンサク:魔力


静かに扉が開いて、下を向いたままの潤がゆっくりと入ってくる。

いつもだったら真っ先に挨拶をしてくる潤が無言のままパイプ椅子を引き、机の上に手に持っていた花を置いて、顔を突っ伏してしまった。

顔を腕で覆って、全身で『話しかけないで』って言ってるみたい。

先に来てた雅紀と俺は思わず無言で眼を合わせる。

話しかけるに話しかけられない。でも、話しかけないのも不自然だ。

意を決して話しかけようとした時、扉が開いて智くんが入って来て、潤の置いた花を手に取り、

「いらないんでしょ、捨てるよ」

とゴミ箱に投げ入れた。それでも、潤は動かない。

「じゅん、何で後輩に挨拶もしないの?その花だって、せっかくじゅんにってくれたのに、スゴク躊躇したでしょ。周りの目が無かったら受け取らなかったよね?なんで?」

智くんが少しキレ気味に潤に言う。それでも動かない潤にじれた智くんが潤の肩を持ち、乱暴に引き起こす。

さすがに、そのままにしておけなくて、

「智くん、何やってんの!潤もどうしたの?」

2人の間に割って入ろうとすると、

「翔くんは黙ってて!」

ぴしゃりと言う。

腰を浮かせた雅紀と俺は智くんの勢いに二の句が告げない。

肩を智くんに掴まれ、身体を起こした潤は、智くんから顔を背けるようにして口唇を噛み締めている。

「何にも言わないんだ。じゃあ、もうおいら知らない。じゅんの好きにすればいい・・・翔くん!あ相葉ちゃん!」

「「あ、はい!」」

「スタッフさんがおいらの事呼びに来たら、侑李んとこいるって言っといて!」

瞬間、弾かれたように智くんを見る、潤。でも、智くんはもう潤の顔を見ることなく、乱暴に楽屋の扉を閉めた。

その姿を見送る潤の眼は濡れていた。