ステージが終わった後、
バンが来るまでの間、
ほんの少しでも時間が出来ると、後部是席座席にまで下りて行って、昨日までのステージを振り返っているあなたを見るのが好きです。
何を想いその場所に立っているんでしょうか。
まるで、昨日等失われて時を求めるようにキリリとしたその目をたまに細めながら・・・いったい何を・・・。
「じゅん、もうそろそろ、車が出ますって」
「あ、ああ、ありがとう。今行くよ」
そして最後に名残惜しそうにもう一度、ぐるりとステージを見回すと、」僕の方に走ってくる。
「どうしました?」
「どうしようもしないよ、ただ・・・」
「ただ?」
私よりも背の高いあなたを見上げながら、問えば、
「うん、いつになったら、満足に行くステージが出来るのかな、と思ってね」
いつも、こうなんだ・・・この人は満足と言う言葉を知らない。
もっと、もっと、と、淑やかな野心をその胸に滾らせ、私達を高みへと連れて行く・・・。
「どこまででも・・・潤は満足することは無いでしょ?だから、僕達はどこまっでもついて行きますよ」
すこし、眼を細めて笑うと、足を止め、僕を引き寄せて、僕の顔に影を落とした。
アッサム匂い桜(ルクリア・ピンケアナ):淑やか 清純な心