仕事は仕事。
リーダーと一緒の仕事は楽しい。
阿吽の呼吸。おかげでさくさく撮影は進んで日を跨がずに終了した。
「松潤この後はぁ?」
「俺?明日オフなんでがっつり食材と酒買って帰りますよ」
「そっかぁ、いいなぁ。おいらも明日オフがいいなぁ」
「フフフ、あなたVS前を死守してるじゃん」
「ま~ね~ぇ」
「じゃ、お疲れさま」
「ん~ばいばい」
リーダーを残しスタジオを後にする。その、俺の背中を少し冷めた眼でリーダーが見ていたことには気が付かなかった。
私服になり、切っていたモバイルの電源を入れる。
なんだ?
そこには交互に入る翔さんと相葉氏の名前。しかも一回や二回じゃない。
リダイヤルを押そうとしたが、はっとしてその指を止めた。
もしも、カズがらみなら大野さんに聞かれる可能性のあるここではやめたほうがいい。
大野さんに先に連絡があったなら、俺の電話にはきっと聞き耳を立ててるはず。
荷物を持ち何事もなかったように楽屋を出るとちょうど大野さんも休憩に戻ってきたところだった。
「きぃつけてねぇ」
「サンキュ」
鼻唄混じりに楽屋に入って行く。やっぱり・・・電話をかけてたら完全アウトだった。
カズに何かあったのか?
急く心を諌めて極力ゆっくりとした速度で、俺は駐車場へと歩を進めた。