「ニノ、窶れた」
雑誌の対談で相葉さんと一緒になる。
今日は潤はいないから智の眼もない。久しぶりだ。
楽屋のソファー。いつもなら取り出すポータブルも今は興味が無い。
ただ、ただ身体を休めたくて目を閉じる俺は窶れたと言われ苦笑する。
「鍛えてるんですよ、お腹プニプニだから」
「ウソだ!ご飯食べてないだろ!今だって弁当喰ってないじゃん」
おかしいよ・・・小さく呟く声。良いじゃん放っておいてよ。
「ねぇ、ニノ・・・おーちゃんもニノもあの日から変だよ・・・潤も、だけど」
相葉さんの射るような瞳に答えるのは、寝不足の俺には面倒臭くて、つい声を荒げる。
「変って何?智と何してるかなんて解ってんでしょ?潤とだってそーだよ。智に見張られてて話なんかできない。まーに言ったら何とかしてくれんの?無責任なこと言うなよ!」
「・・・ニノ、泣くほど辛いんだ」言われて初めて泣いている自分に気が付いた。
「ちがう、泣いてない」泣かない。もう辛いとかそんなこと考えるのはやめにしたんだ。
何にも感じない。あの人のことも考えない・・・
はぁ、とタメ息を1つ吐き相葉さんがどこかに電話をする。
「もしもし、しょーちゃん?おーちゃんのスケジュールってどうなってんの?・・・うん、じゃあ朝まで缶詰ね。解った。うん、そうする」
しょーさんに電話?
「ニノ、しょーちゃんがおーちゃんの許可とるから、今日はオレん家で飲も?」
「そんなん、無理、ですってば」智に少しでも疑われたら、また潤に迷惑をかける。
「おーちゃん、潤と夜中まで仕事一緒だから」
だから大丈夫と言われ「ありがと。ごめんねまーくん」本当に久しぶりに、素直な気持ちを口唇にのせた。