どうも、眠い門番です。
さぼってません。ません!けっして!ただ、GWがすぎてもうなんか何もしたくない疲労感に教われていただけなんですよ!
……では、読書日記しましょうか。
えー本日紹介するのは、
『心霊探偵八雲』という本です。
作者は神永学先生。出版は角川文庫です。
あらすじ:小沢晴香は友人に心霊現象について相談を持ち込まれる。自分では何も出来ないと思いながらも、知人からを紹介されて、映画同好会の部屋へと向かう。
そこで会った斉藤八雲という青年は、霊が見える赤い左目を持っていた――――
こんな感じですね。
面白いです、とても。八雲は最初晴香をうざったく思っていたけど、それがだんだん変化していくのがとても面白かったんですよ。
まだ2巻までしか読んでいませんが、いずれすべて読破します……。
では、今日はおまけで、小説家になろうの新規連載、1話でも置いときますかね。
『少女は異世界で暗殺者になった-転生-(仮)』
ここは都市部である、アレン地区。
そこは、表向きは活発で明るい町であるが、反面路地裏などでは暗い影がうごめいていた。
闇市場もその一つである。
そこの大半を陣取る組織の一員、マイクは、そばにいる男と会話をしていた。
「…………シン、では例の者に頼むと言うことで合意だな」
「ああ、先ほどボスも了解した。あれほど信じられ、そして信じられないやつはいないと言っていたが。
大丈夫か?」
シンと呼ばれた男は、顔を不満げにしながら答える。この様子から、ボスに反対の意見を押さえられたことが察せる。
答えを聞いたマイクは少し笑って、
「大丈夫だ。そうか、信じられて信じられないやつか……まあオレも正直不安だが、マスト商会をつぶしてくれるならいいさ」
と言った。
シンはタバコに火をつけながら、
「待ち合わせ場所は4番倉庫、約束の時間は今日の午後3時……あと1時間くらいだな」
「そうか……じゃあ、話しながら行くか?」
シンはふーっと煙を吐き出しながらうなずきました。
「そうしよう」
4番倉庫とは、組織が押さえる倉庫の1つである。
あまり一般市民も来ない場所なため、よく待ち合わせ場所に使われていた。
2人は、そこへの道に目をつぶっても行けるくらい、倉庫を使っていた。
「……なあ、その頼んだ暗殺者って、どんな感じのやつなんだ?」
「……なんでだ?」
シンは変わらぬ足取りで歩きながら聞いた。
その腰には、大口径の銃が収まっている。
「……いや、待ち合わせる相手のことは知っておきたいじゃねえか」
「……まあ、そうだな」
マイクの言葉に賛同し、シンはタバコをポイと投げ捨て、踏んだ。
「じゃあ説明しよう。簡単に言えば、奴はリスキーの専属暗殺者だった」
「な!?あのリスキーか!?」
「シッ!声がでけえよバカ!」
シンの言葉に、マイクは慌てて腰の拳銃に手をのばした。周りをきょろきょろと見回し、フウとため息をついて謝る。
リスキーといえば、この前何者かに壊滅させられた大きい組織だ。驚くのも当然である。
「……すまん」
「まあいいさ、これから気をつけろよ。驚く話が多いからな。
………奴は、『セス』と呼ばれている。子供の頃から、複雑な理由でリスキーに拾われたそうだ」
なるほど、とマイクは思った。
この町には孤児も多く、道にはそう言った子達がちらほらと見える。おそらく、『セス』もそういった境遇なのだろう。
一人納得していると、シンが話を再開した。
「そして、あそこのボスに鍛えられたらしい。あのボスはナイフ使いだからな。
もとから天分はあったらしく、『セス』はめきめきと上達した。
だが、リスキーは慌て始めた。『セス』は組織を抜けたがった」
マイクはほお、と言って続けさせる。
「……おそらくその頃には、ものすごいナイフ使いになっていたのだろうな。抜けたら困るし、敵対しても困る。そして、組織の情報を漏らされても困る」
「……で?」
そして、とマイクはため息をついた。
「『最後の仕事』と、『セス』を暗殺にかり出した。
1時間程して、帰ってきた『セス』は1人だった。幹部達は息をのんだ」
「……どうしてだ?」
「殺したんだよ、『セス』が。全員。怒ったボスに、『セス』は言った。
『足手まといだったんで』と」
「足手まとい?そ、そんなので仲間を……!?バカな!」
「だから声たけえよ!いいか、足手まといで当たり前だったんだよ!
なぜなら、ボスは『セス』を殺させようとしたから!」
「え?」
マイクはふ抜けた声を出した。どういう意味だ?
「ボスは、『セス』に付いていった暗殺の仲間に、援護に見せかけて『セス』を殺させようとしたんだよ。
そして、『セス』は、仲間をも巻き込んで暗殺を成し遂げた。『セス』は死ななかった」
そんな………。
マイクは、そこで歩みを止めてしまっていることに気づき、慌てて小走りをしだした。シンがそれを止める。
「まあ急ぐな。話はまだ続いている。
そして、『セス』はたった一人で組織のボス、幹部を全員殺して、アジトの場所を警察へ連絡した。匿名希望の方から通報があった、とニュースでも言っていただろう?
それは『セス』だったんだよ」
「……ありえない……まさか……いや、それで?」
「そして、今『セス』は一人で依頼を受け、暗殺を遂行している。どこの組織からもな」
マイクは、ボスが『信じられて信じられない』と言った意味を理解した。
なるほど、そういうことなら……オレも信じられない。
「わかったな。相手はそういう奴………お、待ち合わせ場所に着いたぞ―――………!?」
気がつくと、目の前に赤煉瓦の倉庫があり、そしてそこに――――警官がいた。
「なっ!?」
「くそ、お前がリスキーの名を大声で叫ぶから!に、逃げ―――」
しかし、シンは確保され、手錠をかけられる。関節を外せばいいのだが、拳銃をしっかりと向けられていて、それどころではない。
「うわああっ!」
そして、マイクも捕まった。その手に手錠がかけられていく動作がゆっくりと―――止まった。
「あれ?」
そしてそれが、警官の遺言となった。
直後、切り裂かれた首筋から血しぶきが飛び出し、その警官は変な体勢で倒れて、もうぴくりとも動かなかった。
「…………」
マイクは、信じられずにその光景を見ていた。そして、上から白い人影がおりてきて、
「くそっ!」
警官はそれに拳銃を撃ち込む前にもう血を流していた。
「……あ、あれ?あれ?」
「あれじゃない!これはチャンスだ!お前も応戦しろ!」
シンが冷静に、しかし興奮して指示する。
「あ、ああそうだな……よし!」
「バカ!拳銃じゃ他の警官にバレるだろうが!ナイフだ!ナイフを使え!」
マイクはあわてて腰に拳銃を戻し、
「よ、よよよし……」
ナイフを取り出したときには、もう警官はそこに立ってはいなかった。
全員殺されていた。全員首を切り裂かれていた。
―――白い人影によって。
「あ、ああありがとな……お前は?」
白い人影は振り向く。
真っ白くボサボサとした髪、綺麗な白眉。整った顔つきに、灰色がかった目が映えている。
「セスだ」
そう端的に答えたため、シンとマイクは反応が1コンマ遅れた。
そして、
「せ、セス!?」
と慌てだす。
まさか、こんな少女だとは思っていなかった。中年の女性を勝手に想像してしまっていたマイクは、腰を抜かしてしまった。
「ど、どうも………オレ達が」
「はい、分かりますから行きましょう」
「はい?」
セスと名乗った少女はナイフに付いた血を丁寧に拭き取って、ジトっとした目を2人に向けた。
「……何かご不満が?」
「い、いや………じゃあ行きましょうか………どうやって行きます?」
「市営バスで」
…………し、市営バス………。
「いや、オレ達警察に面が割れてるんですよ?」
シンもマイクも絶句していた。正気の沙汰とは思えなかった。正直やりたくないことベスト5に入っている、確実に。
「大丈夫です、行きましょう。………ついてきてください」
セスはそう言うと、スッと走り出した。軽やかで、バンビを思わせる。
彼女は、灰色のパーカーを着て、黒いショートパンツをはいていた。靴は、動きやすそうな見たことのない運動靴。底にナイフを隠し持っているようだ、微かな金属音がする。
腰には、茶色いベルトにたくさんのポーチがついていて、その間に隠れて小口径の拳銃とナイフがつけられていた。
シンとマイクは同時にお互いの顔を見合わせて、静かに後をついて走り出した。
ここまでです。
では、今日はこの辺で。
さよならー
![バイバイ](https://emoji.ameba.jp/img/user/yy/yy1013/226481.gif)