「はぁっ……はぁっ……」
眩暈がする。
呼吸をするのもやっとで、どうにか木に支えられて立っていられているが、もう倒れそうだ。
しかし、歩みをやめてはいけない。
つい何時間前までは、父と母と、お兄ちゃんと。
みんなで笑い合っていたのに。
―――――笑い合っていたのに……!
「っぅうっ……なん、で……っ」
景色が歪む。
生暖かいものが自らの頬を伝い、地面に落ちては消えていく。
あのフードを被った男は誰だ?
何故家族は殺された?
何故私は追われている?
次から次へと、いくつもの疑問があふれ出る。
あの惨状を思い出すたびに、嘔吐していたが、もう吐き出すものもついえたらしい。
吐きそうにはなるが、もう何も出なかった。
「もう、嫌だよ、……」
ここまでくれば、もうあいつらは追ってこないだろう。
そう、思いたい。
「お母さん、お父さん、お兄ちゃんっ……みんな……みんな……」
私を残して――――――いかないで…………。
ふっ、と力が抜ける感覚がした。
そのまま、彼女の意識は闇に落ちて行った。
*
「ん?」
学園に戻る途中、こんな人気のない森の中、何か落ちている。
「……拾った方がいいのか?」
誰に言うのでもなく、呟いて、とりあえず近づいてみることにした。
近くまで行くと、どうやら人間だと気付き、慌てて体を揺さぶる。
「おい!大丈夫か!!」
焦って大声を出してしまった。
何度か揺さぶっていると「んん……」と非常に五月蠅そうに眉根を寄せられてしまった。
どうやら寝ているらしい。
「……こんなところで呑気に昼寝か……?」
いや、流石にそれはないだろう。
ふと、彼女の着ているローブが赤黒い何かで濡れていることに気付く。
「…………」
しょうがない、連れて帰るか。
少年は決意し彼女を背負うと、学園長に怒られっかなー、と呟いてその場をあとにした。
眩暈がする。
呼吸をするのもやっとで、どうにか木に支えられて立っていられているが、もう倒れそうだ。
しかし、歩みをやめてはいけない。
つい何時間前までは、父と母と、お兄ちゃんと。
みんなで笑い合っていたのに。
―――――笑い合っていたのに……!
「っぅうっ……なん、で……っ」
景色が歪む。
生暖かいものが自らの頬を伝い、地面に落ちては消えていく。
あのフードを被った男は誰だ?
何故家族は殺された?
何故私は追われている?
次から次へと、いくつもの疑問があふれ出る。
あの惨状を思い出すたびに、嘔吐していたが、もう吐き出すものもついえたらしい。
吐きそうにはなるが、もう何も出なかった。
「もう、嫌だよ、……」
ここまでくれば、もうあいつらは追ってこないだろう。
そう、思いたい。
「お母さん、お父さん、お兄ちゃんっ……みんな……みんな……」
私を残して――――――いかないで…………。
ふっ、と力が抜ける感覚がした。
そのまま、彼女の意識は闇に落ちて行った。
*
「ん?」
学園に戻る途中、こんな人気のない森の中、何か落ちている。
「……拾った方がいいのか?」
誰に言うのでもなく、呟いて、とりあえず近づいてみることにした。
近くまで行くと、どうやら人間だと気付き、慌てて体を揺さぶる。
「おい!大丈夫か!!」
焦って大声を出してしまった。
何度か揺さぶっていると「んん……」と非常に五月蠅そうに眉根を寄せられてしまった。
どうやら寝ているらしい。
「……こんなところで呑気に昼寝か……?」
いや、流石にそれはないだろう。
ふと、彼女の着ているローブが赤黒い何かで濡れていることに気付く。
「…………」
しょうがない、連れて帰るか。
少年は決意し彼女を背負うと、学園長に怒られっかなー、と呟いてその場をあとにした。