7月のとある日
ピンポーン、と玄関のベルが鳴りました。
夕方5時頃。
郵便は頼んでないし…ガチャと、出ると
髪の長い、華奢な女性が。
花柄の可愛いワンピースにスラっとした
白のヒール。
見慣れない女性。
私が玄関に出ると、ニコッとして
事情を話し始めました。

私の家の近くの交通量の多い道路で
猫が轢かれていた事
通りかかった見ず知らずの3組が協力して
保護、預かり、病院、飼い主の捜索、
をしている事
私のおうちが飼い主じゃないか?との事
(うちは外で飼ってる猫が数匹)

猫の写真を見せてくれました。

「うちの子ではないです
でも…
よくうちに来てた野良?に似てるかも…??」

「えー!本当ですかー?」
と、泣き出してしまった女性…。

「嬉しい」と。

小雨の降る中、何軒も何軒も飼い主探しに
回ってきたらしく、
やっと手がかりが見つかって嬉しいと。

猫は轢かれて肺がやられている恐れがあるため
完全に回復するかはわからない、
しばらくは
私が怪我をしてる猫の面倒を見ると
その女性は話してくれました。

連絡先を交換し
それから私も、しばらく飼い主探しを
お手伝いすることになりました。

その女性は、川北さん。
そして轢かれている猫を最初に発見し
路肩で看病していたのが男性の大阪さん。

その2人と私と一緒に、猫の飼い主探しが
始まりました。
うちに来る猫と似ていたということで
ちょっと情が移った私。

数日後、猫ちゃん本人を見せてもらいに
会うことに。
うーん、うちに来ていた猫ではないかも、、、。

でも捜索するうちに
親猫らしき猫を飼うお家があったり
野良猫だった子に餌をあげてたら
子供を産んで住みついてしまった
という家庭がたくさんあるのを知ったり
テレビ番組のように
アポ無しでのピンポンにも
皆さんとても、親切に色んな情報をくれたり
息子達にお菓子をくれたり…(感謝です)
色んな発見がありました。

そうこうしてるうちに2週間が経ち……

川北さんの愛情たっぷりの看病のおかげで
1ヶ月かかると言われていた怪我も1週間で
良くなり始め
食事や歩行も自力でできるようになり
飼い主探しをしている最中に
最後はオリから脱走して
元気に野良としての道を選んだ猫ちゃん
なのでした。


その間に
3人で話していたのが「名前」です。
きっと飼い猫だったら
素敵な名前があるだろうから。と、

野良猫だったら、
もしこれから現れる飼い主さんのために。と、

「名前」はつけずに最後まで
「キジトラ白猫」と、呼んでいました。


猫ちゃんを通して2週間
全く関わりのない3組が急に知り合いになり
アレコレ奮闘しました。
とっても
不思議な体験でした。


「キジトラ白猫」は
今は元気に野良として過ごしてるのかなぁ
可愛い猫ちゃんだからどこかで飼い主さんが
見つかるといいね

茨城県の中でも特に鹿行地域は
犬猫の殺処分が多いのです。

それを変えようと鹿嶋市では
角新一さんという方が
◆けいせつ基金◆活動をしてます。

悲しい思いをする犬猫が居なくなりますように。


この絵本は
「キジトラ白猫」ちゃんへの
想いを込めて。

今月の「大人も楽しめる絵本」