胎児は恥の多い嵐が吹くオペラ座の名前はまだ無い大悪夢を見るか

胎児は恥の多い嵐が吹くオペラ座の名前はまだ無い大悪夢を見るか

つれづれなるままに読書感想文をつづります。のんびり気ままに更新中~
※記事の画像やリンクなどの情報は私が読んだ出版社のものとしてます

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タイトル;箱男
著;安部公房
出版社;新潮文庫

あらすじ;
段ボールを頭からすっぽりとかぶり都市を彷徨する箱男。彼らは家をもたず、最低限の荷物だけ段ボールの中に携えて日々を生活している。
「しじゅう覗き屋でいるために」箱男となった「ぼく」は、ある日突然五万円を渡され「その箱を処分してほしい」と脚の美しい女性に言い渡される。彼女の勤める病院へ赴き、窓から部屋を覗くと全裸の彼女と「ぼく」がそこにいてーー?


感想;
な、なんだこの小説……!?えっ、つまり何!?と感じました(^_^;)
安部公房の小説はこの箱男初めてなのですが、比喩表現(?)が意味不明すぎる!

……夕日のつくる鋭い影の切り口に、せっせと鑢をかけて角を落としている。

……夢の中の駈け足。

……生きたクリームのうごめきが眼にしたたりこむ。


どゆこと!!?!?!!((((( ;゚Д゚)))))
えっ、なにそれ状況を表しているようで表してなくない!?私の読解力とか創造力が無いだけかな!?
えっと、これがいわゆる隠喩というやつでしょうか……
夢の中の駈け足とかなら、なんとなく分かる気がしますけどね……( ´∀`)

ところで、私は最後の解説を読んでやっと話の構成を理解しました。
ちょっと読書好きという程度の私には少し難しい話でしたね。夢野久作とか好きな人は嵌まるかもしれません。(実際私がそうでした 笑)

ここからは話の内容について……
・記述者は誰か
私は気付かなかったのですが、この小説は「ぼく」という一人称で進むのに、肝心の「ぼく」は途中で入れ替わっています。
写真家のぼく、贋医者のぼく、医者のぼく、そしてD
めまぐるしく記述者は替わり、覗かれてる人物と覗いている人物とがひっくり返ります。
ぼくとは誰なのか、それがこの小説を読むうえで重要な要素となります。これについては解説で書かれているのでここでは割愛します。

・本物と贋物
記述者が入れ替わるにつれ本物と贋物も入れ替わります。医者が贋医者に。箱男が贋箱男に。
作中で終盤、写真家のぼく(=箱男)は「ぼくは贋物だったんだ」「でもこのノートは(略)本物の箱男からあずかった遺書なのさ」と話しています。ここでいう贋物、本物とは?
話の中盤で、本物の箱男の極意みたいなものが記述されています。これに則った上での「贋物」発言かなと私は考えました。(解説では少し違う考察をしていましたが)
また遺書ですが、<<死刑執行人に罪はない>>は医者の遺書であると考えても良いでしょう。しかしもっと序盤、<<安全装置を とりあえず>>ではぼくは自殺の可能性を徹底的に否定しています。一体遺書とは何を表しているのでしょうか。

・D=医者=ショパン説?
話の終盤で突然表れる少年D。彼は女性教師の前で勃起してしまった時、顔を手で覆って泣き真似をします。<<三ページ半の挿入文>>では贋医者と看護師が医者について話している(と私は考えている)のですが、このとき看護師の裸体を見て医者が手で顔を覆ったと語られています。直接表現されていないので何とも言えないのですが、しかし別の人物同士が同じ仕草をするとわざわざ表記するでしょうか?同じ仕草=同一人物ではないかと感じてなりません。
また、<<夢の中では~>>でぼくは父からショパンと呼ばれています。ショパンとと聞いて、少年Dを連想したのは私だけではないはず……。女性教師が弾いていた曲ですね。つまり少年D=ショパンだとするとショパン=医者ということに??うーん、これは少し強引な気もしますね。


最後のサイレンの音と最初や途中に挟まれていた新聞記事との関係性や、そもそもこの話は一人の男(箱男?)の妄想なのでは?とか、まだまだ気になる点はたくさんあるのですが……長くなってしまったのでここらで終わりたいと思います……うぅん尻すぼみ(^_^;)
今回もお付きあい頂きありがとうございました!次回はいつ更新するか分かりませんが、よろしくお願いいたします!




箱男 (新潮文庫)