此の世は無情也。救世主等いない。神は云う、万物が一つに成る時ヒトは救われるのだと。
「人並み外れた才能があったなら。莫大な富と名誉があったなら。無償の愛があったなら。絶対的な幸福と云うものが存在したならば、救われていたのに。」
愚かな人間共は今宵も悲劇であると嘆き散らす。でも、心配は要らない。愚弄な民よ。過ちを犯した罪人よ。神は救ってくださる。
社会からの圧力、責任感、人間関係、逃れられない不安、苦しみ。もう全て投げ出して、楽になりたくありませんか。
母なる大地に還り、宇宙との調和を果たし、万物が一つとなる。全人類の苦しみを神は一挙に引き受けてくださる。
貴方はただ、身を委ねれば善い。
自分という忌まわしい呪縛から、魂をその身体から、解放する術を。逃れたいのに逃れられないその苦しみの連鎖から脱する唯一つの方法を。神は全てを知っています。
この世界に貴方を救うものは何もない。絶望するしかありません。正に此の世は無情なのです。でも、もう安心して善い。
母なる大地に抱かれた赤子のように。宇宙に漂うイデアのように。
反論などできる筈がありません。なぜならこれらは全て紛れもない真実なのですから。この物語に強い主人公など必要ありません。求められて等いないのです。
全てから切り離された貴方はそれでも尚存在し続けている。早く解放されたいとずっと願っていた。神は貴方が犯した罪を許してくださる。
自我は解放される。無限に広がる宇宙の中に永遠を見るのです。

