入院した当日、息子が持ってきてくれたお見舞いは、バナナと、アイロンビーズで作った白猫だった。


白猫は以前学童で作ったものをプレゼントしてくれたやつで、食器棚に置いてあったもの。


病院のベッドの横の棚に立て掛けてるので、横向きに寝るとちょっと見下ろされてる感じで目が合い、その度にちょっと泣ける。


数日後のお見舞いでは、家にあるぬいぐるみの中で1番か2番目に大きいぬいぐるみを持ってきてくれた。IKEAで猛烈におねだりされて買い与えたサメのぬいぐるみ。「息子と寝れなくて寂しいからサメくん貸してよ」とリクエストしたら快諾してくれた。毎日抱いて寝てる。


毎日巡回に来る看護師や助産師は、私がサメを抱いて寝てることに一切触れない。触れてくれたら「息子が貸してくれたの」って自慢するのに。


週末は実母がヘルプに来てくれて、家の掃除やら作り置きやらをしてくれてとても助かった。帰りに息子を連れてお見舞いに来てくれたのだがそのときの息子の差し入れがまた良かった。ハンカチに包んで渡してくれたそれは、息子がお昼に作ったというチャーハン。それも、ふりふりして一口おにぎりを作るやつに入れた状態で。




3個作れるのになぜか2個分だけチャーハンが詰まってた。


料理好きでよく晩ごはん準備中に「手伝う!」と踏み台を持って来るのに、「もうやることないわー」「急いでるから休みの日にしよう」と断ってしまうことが多いので、彼が自由に"焦がし醤油バターチャーハン"を作るのを見守ってくれたばあばには大感謝だ。


面白くて優しくてほんとなんて素晴らしい子なんだろう。どう育てたらこんな優しい子になるんだろう。


どうやら家での過ごし方も頑張ってるようで、平常時は私から「何時に宿題やるの」「もうお風呂の時間だから漫画終わりよ」「明日の準備したの」と言われては「あーもーやりたくなーい」と不機嫌になってずるずる後回しにしてたのに、最近は帰宅後のルーティンがスムーズなようで、嫌がらずに宿題や明日の準備をしてるらしい。やだやだと甘えるのを我慢して自分を律してるんだなと思う。パパと2人で協力してこの危機を乗り越えなきゃいけないってときに、自分がすべきことをちゃんと考えて頑張ってくれてる。すごいなあ。強いなあ。



将来グレたときに「あなたはこんなに優しい子なんだよ」って見せるためにここに書き残す。