そういう時期のようで小説ばっかり読んでいます。
昔読んだはずの『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹。
内容を忘れていたというのもあるけど、全然ちがう印象。
主人公が34歳 : 同じ歳
社会と調和できない : 今の私と同じ
高度資本主義社会に批判的 : 同感
当たり前のことなのですが、
自分の状況とか経験によって読み出せることって全く違う。
こんなことが書いてあった本なんだと、発見した気分。
昔は羊男を自分の中で図像化しようとして、うまくできなかった記憶しかない。
吉本ばななもしっくりくる時期のようです。
空気感とか、雰囲気とか、手触り感とか、人から受ける印象とか、
感覚としてはあるけど、言葉にはできないから人とは共有できないものを
文章にするのが天才的にうまい。
そんなことは周知の事実なんだろうけど、
初めて実感。
だから、自分が良いと思った本を人に紹介したり、共有したりするのって
難しいなぁ、と思う。
人によって読み出すことが違うから。
きっと、ビジネス書もおなじ。
自分と違うステージ(経験値)にいる人の本から読み出せるのは、
自分の経験の範囲のみ。
でも、だからこそ読む意味があるのかもしれないし。
その違いが多様で多い本が、良い本だということにもなるんだろうし。
読み返したい、と思う本に人生でどれぐらい出会えるんだろう。