ガブリエルは、孤児院の育ち。面会日に来る筈の無い家族を待つ。清楚な孤児院の服を着て、来る筈の無い父の姿を待つのだった。成長した彼女は、昼は縫子、夜はナイトクラブで歌を歌っていた。
そんなココを見出したバルザン、上流社会の彼は何事にも染まらない彼女の独特の魅力を知っていたかも知れない。
当時のパリの上流社会のモード、コルセット、羽根などの華美な装飾、重く首が痛くなりそうな帽子、白一辺倒のドレスのすべてを否定し、男みたいなパンツやシンプルなドレス、喪服しか使わなかった黒いドレスを修道院で学んだ裁縫技術でことごとく作り上げて、いつしか自分のスタイルを作り上げてファンが出来る。
バルザンは、自分の意にそぐわないココを叱咤し、遠ざけながら、優しさで包もうとするもののいつしか彼女に魅了されていく。 そして現れるボーイ、レースカーを乗りまわし、彼女のシンプルな感性を理解者だが、結婚はかなわない。
そして、嫉妬するバルザン。その二人の男の狭間で「結婚はしない」と独立した女を目指すが、ボーイは暫くして自動車事故で死ぬ。 そして年月を経て、シャネルは成功する。
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シャネルの人生には、他に愛人として占領下のドイツ人将校がいたようだが、本編では出てこない。売れすぎて従業員がストを起こして、店を畳んだ晩年期のエピソードも出てこない。オドレイ・トトゥの華奢な顔立ちやスタイルと舌足らずのしゃべり方、今のフランスのファッションは訳の解らないものが多いが、着易さ楽さを追求して、ツイードなどのトラディショナルな生地のジャケットを着こなすシンプルなものは粋である。伝記としてフランス国内ではうけているようだが、その時代を知らない子供たちには退屈なものかも知れない。ココは、ニワトリのまねをしたガブリエルの愛称。ガブリエルは、天使の名前に由来する。