映画『国宝』を観て、自分の心が揺さぶられたシーンをなるべく丁寧に書いてみたいと思います。
ネタバレとなりますので、まだ観ていない方はご注意下さい。また、既に観られた方がいらっしゃいましたら、多分私とは違うシーンに心を揺さぶられているかもしれません。そんな意見を聞かせてもらえたら凄く嬉しいです。
第1位
曽根崎心中の舞台中に、お初の足を徳兵衛が掴み、お初の覚悟に応えるシーン。
このシーンは、お初を吉沢亮さんが演じるシーンと横浜流星さんが演じるシーンの2つがあるのですが、思わず涙が出たのは、後半のシーンです。このシーンは、そもそも曽根崎心中の中でも見せ場の1つで、徳兵衛とお初が言葉を直接は交わせない状況の中で、お初が周囲の人には悟られないように、だけど縁側の床下に身を隠している徳兵衛に語りかける場面です。お初は、徳兵衛が無実の罪で嵌められたことをわかっている、それでもその証拠を示すことができない為に、徳兵衛は死ななければならない。でも、お初は徳兵衛を一人で死なすことはない、徳兵衛のいない世界で生きていくことはできない、自分も一緒に死ぬ覚悟だということを床下の徳兵衛に語りかける。徳兵衛が縁側に座っているお初の足を掴み、その行為で徳兵衛も自分と同じように一緒に死ぬ覚悟を持っていることを知り、お初が嬉しく思う、そんなシーンです。その姿に切なさと究極の愛を感じ、普通でも涙が出るシーンです。ただ、映画ではそれだけでなく、別の要素が加わります。お初を演じる横浜流星さんは、糖尿病を病んでおり、、足先の色が変色し、病がこれからますます悪くなりそう。歌舞伎役者としても、命さえも絶望的な状況。その事を吉沢亮さんが察する。少年時代から複雑な状況と関係で、時に互いに葛藤しながらも、芸に生命を賭ける2人だけに通じる無二の友情。それを映画を通じて見てきたこともあり、吉沢亮さんの悲しみ、悔しさに感情移入し、思わず涙がこぼれました。
あー、1つのシーンを書くのにこんなに文字を使うなんて、こんなの自己満足以外の何ものでもないですね。
第2位他
他にも、病の為に横浜流星さんが花道で倒れ込み、これ以上は舞台を続けられないと思われた場面で、この舞台に横浜流星さんが生命をかけていることを知っている吉沢亮さんが横浜流星さんを励まし、舞台を続けさせる、横浜流星さんも最後まで舞台を続ける覚悟を見せるシーンも涙が溢れました。2人が役者として生命を賭けていることを痛切に感じることのできるシーンで引き込まれます。
それから、吉沢亮さん演じる花井半二郎が人間国宝に選ばれた時に、半二郎の隠し子でカメラマンになっていた娘が半二郎の写真を撮りつつ、自身が娘であることを告白し2人で話すシーンも涙が出ました。娘さんは、隠し子であることから父親と一緒に居られない淋しい幼少時代を過ごし、半二郎を父親としては認めないものの、半二郎の舞台に引き込まれ、子供の時に父親である半二郎が悪魔と取引をしてでも日本一の歌舞伎役者になりたいと言っていたことを覚えていて、本当に日本一の歌舞伎役者となった父親の生き様を認めるシーン。このシーンも、娘さんの感情、娘の言葉を聞いた半二郎の気持ちに思いをはせると涙が出てきました。
なんだか、自己満足オンパレードになってしまいましたね。本当にすみません。これくらいにしておきますね。
それでは、また。