今期のインフルシリーズ、(恐らく)最終。

 
インフルエンザにかかってしまったら、お薬飲む飲まないは別にして、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?
外来で意外によく聞かれることを書いてみます。
 
熱は下がったが咳と鼻水がひどくなってきた。
これ、インフルの特徴です。
前回も書きましたが、インフルエンザは高熱で発症することが多い病気。なので、2-3日で解熱するものの、その頃くらいから鼻水による鼻閉や咳などが多くなってきます。むしろ発熱初期は熱が高く鼻はカピカピだったりします。
 
吐き気や嘔吐、下痢がある。
インフルエンザといえば、高熱と咳鼻水などの感冒症状だけと思いがちですが、胃腸の症状もよくでます。また、高熱が続くと、脱水、カロリー不足傾向となり、ケトンが出てくると、腹痛を起こし嘔吐なども助長されます。また、タミフルもよく胃腸症状を引き起こします。
 
けいれんを起こした!
インフルエンザは急な高熱が出る病気のため、熱性けいれんが起こりやすい病気でもあります。けいれんを起こした場合には、必ず病院を受診してください。意識の回復が速やかであれば大きな心配は要りませんが、けいれんの持続時間がながかったり、意識の戻りが悪い場合には、脳症などの発症に注意が必要です。
脳症の発症リスクについてはまだよく解明されていませんが、5歳までの小さいお子さんに多く、過剰な免疫反応によるものと言われています。
 
一旦解熱したのにまた発熱してきた!
小児期のインフルに多いと言われる二峰性の発熱と言われるものです。2,3日の発熱期間で終わったと思いきや、再度発熱します。肺炎や中耳炎を併発したときも同じような熱の推移になりますが、合併症がなくてもこの再発熱が起こりやすいのもインフルエンザの特徴です。
明日から登校しようと思ってたのにまた発熱!ということもよくあります。
 
それでも熱が下がらない、息苦しいなどの症状がある場合には病院へ!
二峰性の熱はだいたい1-2日で引きますが、さがらない場合は合併症を起こしている可能性が高いです。また、基本的には上気道の症状だけのはずが、どんどん咳が辛くなる、息苦しさが増してくる、といった場合には、肺炎の併発が疑われます。
 
こんな感じです。
繰り返しますが、インフルエンザは自力で治る病気。でも、どんな病気でもそうですが、ときには重症化して治療が必要になるケースももちろんあります。

典型的な経過を知っていれば、それから外れたときには病院を受診するべきなんだなと覚悟することができると思います。

合併症を予防する手立ては残念ながら現時点ではありません。まずは感染しないような予防策(手洗いうがい、人混みを避ける)を徹底し、予防接種をして少しでも感染のリスクを下げるしかないのが現状です。