新しいLRT。
「芳賀町工業団地管理センター前停留所」から乗って、「宇都宮駅東口」に着きました。



これにてLRT初乗り完了です。
LRTが日本に出来てから何年も経ちますが、やっと乗る事が出来ました。
『えっ?完了って「芳賀町工業団地 管理センター前」から「芳賀・高根沢工業団地」までの区間乗ってないじゃん。それにLRTが出来たのは2か月前じゃん』と思われた方もいらっしゃるでしょう。
はい。正解でもあります。
報道もそこらの人々もLRTと言ってるけど、国土交通省は「LRTとは、Light Rail Transitの略で、低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた特徴を有する軌道系交通システムのことです。」と定義づけていまして、日本初のLRTは2006年開業の富山ライトレールです。
ですからつい最近までLRTと言えば富山だったのです。
なのでLRT体験は完了したけど、第三セクターの宇都宮ライトレール株式会社の宇都宮芳賀ライトレール線はまだ完乗ではない、という事です。

なんてゴチャゴチャ言っていてもしょうがないですし「宇都宮芳賀ライトレール線」といちいち書くのもやはり面倒ですから、世間様に倣ってLRTで行っちゃいましょう。


開業時は報道などでも度々登場したLRTですが、最近はすっかり沙汰止みで(この言葉の使い方あってるかなー?)もう空いたかと思いきや、まだまだLRTは人気の様でかぶりつきで立ち乗りです。
それでも、未乗鉄道に乗れるのはうれしいです。が、なんせ見慣れた風景。新鮮さに欠けると言うかなんと言うか。
でも、車より高い視線だし、沿線風景だけを見続けるという事も無かったから新鮮と言えば新鮮かな?今まで観ていた風景をスロー再生してじっくり見ているような感じ。

そう、遅いんです。数字的には。
LRTの最高速度は40Km/hです。
これはLRTに適応される軌道法(路面電車の法律ですね)によって定められているものですが、この法律は大正生まれです。
なので、その頃であれば路面電車は並走する車より速い乗り物だったのでしょうが、今は全くの逆で、車に次々と抜かれます。
よって、「宇都宮駅東口」~「芳賀・高根沢工業団地」間の14.5Kmを48分かかって、評定速度は18.1Km/hです。ちょっとクチャ道で時間がかかっちゃった益子から芳賀に来る時は23.1Kmを43分で評定速度32.2Km/hだったのに比べてもはるかに遅くて、別府鉄道土山線 並みです。
だけど、信号に引っかかる事が少なく感じられて、遅くてもストレスは感じませんでした。
もっとも、それは初乗りだからで、毎日利用の人は『もっと速く走れ!』と思ってるでしょうね。一応速度アップや快速運転の計画はあるようです。

さて、車窓は見慣れた風景と書きましたが、中には新鮮な風景もありました。
例えば谷底にある野高谷交差点。
車で通ると全く眺望は無くて、前回見に来た時 は更に立体交差の高架とLRT高架が覆いかぶさってとても閉鎖された感じでしたが、



上から見ると空が広いです。



そして白眉は「清陵高校前」~「平石中央小学校前 」の専用軌道区間ですね。
特に鬼怒川橋りょうからの眺めがいいですね。
「飛山城跡」から坂を降ると鬼怒川に差し掛かったところで視界が開けて、正面に男体山、



右手に高原山、那須岳、



条件が良ければ左手には富士山が見える事でしょう。

まぁ、白眉とは書きましたが、車窓で素晴らしいのはこの区間だけですからねぇ~。
それに、この電車は前面展望には不向きなつくりだなー。
全線高架にすれば眺めは格段に良くなるだろうけど、それじゃLRTでは無くなってしまうし、低床車両に意味がないな。てか、そうであればモノレールか新交通システムでもいい事になってしまいますね。
やはりバスに代わる路面電車でないと駄目だったんでしょうね。

「平石」を過ぎて併用軌道になるとまた町中ですが、道が少し広げられたみたいで、なんとなく以前と雰囲気が違います。
国道4号の旧道を越える立体交差はさすがに広げられなかったようで、1車線ずつつぶされて軌道になっていました。
そしてかつては横に長く見えていた宇都宮駅が建物の隙間からチラリと見える元ロータリーの入り口を過ぎて



グイッと曲がれば



終点、「宇都宮駅東口」に到着です。



しかし、変わりましたね~。
昔は広々としていて、餃子屋なんかが営業していた東口はしゃれた?建物が出来ていて



その駅前広場と言うかをLRTが突っ切る形になっていました。



で、せっかく来たのですからちょこっと隣接する UTSUNOMIYA TERRACEをのぞき見。
したら2階の酒屋で角打ちやってるじゃないですか。しかもテレビでは前日のCSを流してる。saiさんも気に入ったようで、『LRT沿線に住んでればここで野球見ながら呑めるのに』と残念がる事しきり。でも、たぶんヤクルト戦は映してくれないでしょうねぇ。

角打ちは断念して、帰ってからのつまみ用に餃子を仕入れたら、その匂いをプンプンさせながら帰りのLRTに乗り込みます。
停留所に戻ったら発車間際の列車(?)がありましたが、帰りは座って行きたかったので1本見送り。でも本数が多いので次のがすぐにやって来ます。



到着した列車は乗客がすべて降り終わるといったんドアを閉めます。
いや、車内清掃やサボ差し替えがあるとかではなくて、運転手さんが席を移して折り返し出発準備をする為ですね。(忘れ物チェックくらいはしてるでしょう)
なので折り返し時間は6分しかありませんから、ドアが開いて乗客が乗り終わったらすぐに発車です。始発感覚がないなー。

走り出してみれば窓が大きくて眺めがいいですね。

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でも、眺めがいい区間以外は街並み風景が続きますので途中からsaiさんは居眠り。

秋の日差しを暖かく浴びながら小一時間で終点「芳賀・高根沢工業団地」に到着。



ここでは停留所を出てもHondaしかありませんので、ウロウロせずに即座に車を停めてある「芳賀町工業団地 管理センター前」まで折り返したのでした。