前回さらっと書いた袋田の滝。



私が初めて訪れたのが1980年1月2日、saiさんは1985年。お互いずいぶん昔の事。
と、なれば、向かう道中での話は「あの時はさー」ですね。「お土産に刺身こんにゃく買って」とか。
で、刺身こんにゃくは昔ながらにあったのですが、全く違っていたのが、袋田の滝トンネルです。
いや、違っていた、ではないですね。
二人ともトンネルそのものを通った記憶がないんです。
では、どこを通ったか。
それは川沿いの道です。とは言っても渓流散策路ではありません。
現在の道は袋田の滝トンネル入り口で土産物街を左折して少し登るようになっていますが、以前はそこを直進して滝川右岸の崖下で心細い道を通っていたのです。
試しにトンネルへとは向かわずに直進してみたら道は途切れていてその面影を望むのみになっていました。



画像の階段のような道が吊り橋のたもとを通って(初めの画像の階段様の道)観瀑台へと続いていたのです。

ところが、ではこのトンネルは何時できたのかと言うとなんと1979年12月なんですよね。
私たちが初めに訪れた時にはすでにトンネルは出来ていた事になります。
すると、トンネル開通当初は川沿いの道(旧観瀑路と呼ばれていたみたいです)とトンネルの選択ができたのでしょうか。

しかし、大子町史(通史編 下巻 P658)では「昭和53年(1978年)に落石による人身事故が起きて観瀑台への立ち入りが禁止され、抜本的な安全対策として茨城県が事業主体となってトンネル新設工事を行う事になり、昭和54年1月に着工、同年12月、トンネルによる観瀑道と観瀑台、展望台、吊り橋への連絡道が竣工した。」と、あります

と、なると、わざわざトンネルを作ったんだから危険な為通行止めにしていた旧観瀑路をまた開通させるとは考えにくいですよね。
つまりトンネル開通後に旧観瀑路を通ったというのは私たちの勘違いなのでしょうか。

ちなみに旧観瀑路は県道に指定されていました。
いや、いまだにされているのかな?
国土地理院地図ではそうなっているけど、



もしかすると今は袋田の滝トンネルが県道になっているの?
大子町史によると総事業費は約2億円で1/4は大子町が負担しているようだけど、総事業費とあるので観瀑台などのトンネル以外も含まれているのでしょうから、これは県道付け替え工事ではなくて一帯の観光地整備事業なのでしょう。
その中にトンネルも含まれるという事で、残念ながらトンネルは珍しい歩行者専用有料県道という事ではないようです。

この事業は落石事故から2年で完成していますのでお役所仕事としては早いですね。
もしかすると計画自体はもっと古くからあって地質調査なども終わっていたけど、税金を1観光地に投入することに対する県民の反対感情を恐れて機会をうかがっていたところに事故が起きて世間が安全対策の方向に流れたので実行という事なのかな?

トンネル工事も1年で成し遂げていますので、掘りやすい地質だったのでしょうか。
滝より下流の旧観瀑路部分の滝川は川いっぱいに大きな岩がゴロゴロしているけどこの岩は何処から来たのでしょう。



角が結構残っているから多分落石ですよね。
風化しやすい地質なのかな?トンネルが通っている所は大丈夫なのかな?
でもこんな岩が滝を転がってきたらすごい迫力と言うか怖いというか。
さて、袋田の滝ですが、第1観瀑台から見るとこんな感じです。



近いですね。
観瀑台のすぐ下は滝つぼです。



正面に3段。滝つぼに1段で4段の滝ですね。

ではエレベーターに乗って第2観瀑台へ行ってみましょう。
エレベーターはちよっと乗るだけだろう、と思っていたら意外と乗車?時間が長くて結構上った感じがします。
これだけ登れば第2観瀑台は滝を見下ろす感じなのかな?と、エレベータを降りてみれば



まだ2段目くらい。
パンフレットには約50m昇るとありましたが、それでも上に達していないとは袋田の滝ってそんなに大きいの?とさらにパンフをよく見てみれば、高さ120mだって。
これって華厳の滝(97m)より高いんじゃん。
なのに、そうは見えないのはやはり4段になっているからかな?
それと、見る位置がやはり悪いのかな?
袋田の滝として流れている滝川は滝つぼで90度向きを変えているので滝の正面は急峻な崖。



なので華厳の滝のように引いた位置から見ることができません。
だから全体像がつかみにくくて数字ほど大きくは見えないんじゃないかな?

それに、これだけの滝があればその上はそれなりに急峻な山岳地系と思われるのに国道461号で上流に行ってみれば、その苗代田地区はのどかな田園風景です。とてもすぐ先にこんな滝があるとは思えません。
そんなところも面白い滝ですね。



ところで、第2観瀑台から見た滝ですが、なんか第1観瀑台から見えた部分の上にも更に1段滝が見えるように思えます。



これが1段目だとすると第1観瀑台正面に見えていたのは3段目ではなくて4段目でその下にある1段は5段目になってしまいますね。
そして第2観瀑台からは一番下は見えませんので、どちらから見ても対象は違いながら4段です。
う~む、全体が見られる所は無いのかな?

と、したところ便利な世の中ですね。この滝をドローン撮影した動画がありました。
で、数えてみるとやはり5段あるように見えます。
滝より上は瀬になっていて、もしかすると袋田の滝下にゴロゴロしていた岩の故郷?

地理院地図では袋田の滝の所に二つの滝マークがあります。(上の地図参照)
これはこの間が袋田の滝という事になのでしょうか。それとも下流側が袋田の滝で上流側は別の滝なのでしょうか?
上流側の滝マークは新発見?の滝の位置にも思えます。
下流側のマークは第1観瀑台の正面に見える滝の位置みたい。
そもそも地理院地図の滝マークはどこに付けているのでしょう。ナメ滝の場合はどうするの?竜頭の滝なんかどこが始まりかよくわかんないしなー。
まぁこの辺りは地理院地図の限界という事なのでしょう。
袋田の滝トンネルも直線ではなくてかなり曲がっているし、トンネル終点も表に出ることなく四度瀧不動尊で突き当たっていて、第1観瀑台へは横坑から直接となっていますからね。



と、いう事で、見た目で判断すると、第2観瀑台から見える4段を袋田の滝とするならば、第1観瀑台から見えていた袋田の滝は3段で、下に見える別滝を一緒に数えて「わーい、4段だ」と喜んでいた事になります。
一方、第1観瀑台下の滝も含めたのが4段の袋田の滝だとするとわざわざ第2観瀑台を作って別の滝を見られるようにしたという事になりますね。

う~む。
結論。

袋田の滝ってそもそも5段です。

てか?


ところで、ある地図サイトでは観瀑台近くに光明寺とい寺が描かれているんだけど、この寺ほんとにあるのかな?
どうやって行くんだろう。