最北の駅
前回の最後の画像で?と思った方はいらっしゃいませんか?
はい。これは新白河行きの列車です。
最後尾の車両に乗り込めばさっきと同じ車掌さん。
でも、ちょっと顔を合わせただけで下車。
そこは栃木県最北の駅、豊原です。
栃木県最北駅は野岩鉄道の男鹿高原駅と微妙なところですが、あちらが北緯37度2分52.3秒なのに対して豊原駅は北緯37度3分18.34秒と800mくらいの差で最北なのです。
そしてあちら程ではないにしろやはり秘境らしいです。
この駅での持ち時間は40分。
場合によっては、駅でのんびりと、と黒田原でモロモロ仕入れたのでした。
降りたのは私一人。
豊原は無人駅。出口は新白河寄りにあるので車掌さんは先頭車両でドア扱をしたのでした。
写真なんぞを撮っているうちに電車は発車。
黒田原は有人駅だったし(昼休みだったけど)まだあの車掌さんに18切符を見せていないんだけど、ま、いっか。
どうせバレバレだし(笑)
駅舎は建て替え工事が大詰めの段階。
なので、駅舎は利用できず仮設通路から駅前広場、いや狭場に出て見るとあるのはトイレだけ。
あれ?
新駅舎にもトイレが作られていた様な。
豊原駅の1日の利用者は50人はぐらいで、これは乗り降りだから乗る人はその半分の25人として、その8割くらいが朝の通勤通学列車2本を使うとすると1本当たり10人。
に、対して便器の数が。
うわっ、スッゲイ贅沢駅。
駅舎を出て15歩も歩けばそこは階段。
つまり駅前狭場に車は入れません。
その一段高い所から駅前を見渡せば。
川のせせらぎが聞こえてくるだけで集落らしきものは見えません。
う~む。これじゃぁ駅前フラフラで時間つぶしも出来ないなー。と、なればそうなるんじゃないかと黒田原で仕入れた物を楽しむとしましょう。
しかし、駅舎はまだ入れないし、ホームのベンチでもなー。
そうか。川が近いみたいだし、そこでとするか。
と、階段を降りて駅前道路に出てみれば。
川はずいぶん下の方ですな。
それなのにこんなにせせらぎが聞こえるという事は、静かなんですなー。
横切っているのは今いる道のバイパスかな?
まぁ、時間もある事ですし、ポコポコ行ってみますか。
こりぁ、帰りが大変だと思わざるを得ない急坂を降って行くといくらも行かないうちに東北本線は高い築堤に。
ほぼ降りきったその辺りから家々が見られるようになり、川も流れています。
その板敷川は上から見た川の支流の様ですが、その上流は築堤を貫いています。
そしてそのトンネルには通路が。
面白そうなのでちょっと行ってみましょう。
冷たそうな水が流れる水路わきの通路を進むと、少し入った所で壁がコンクリートからレンガに。
コンクリ部分は補強工事で築堤裾部が拡幅された部分の様ですね。この辺りで震災時に法面崩壊があったからなー。
途中滴り落ちた水が凍っている所があります。
築堤であってもこの規模になると水が湧く?
そしてトンネルを抜けると雪国でした。
生憎雪靴では無かったのでそれ以上は進めずまたトンネルを戻ってもう少し進んでみます。
するとバス停。
名前は豊原ではなくて成沢。那須町営バスのバス停なのですが、時刻表が無いので何処へ行くバスかは解りません。おそらくは黒田原の町役場とを結んでいる路線なんでしょう。
その背後にはグラウンドがあっていかにも廃校跡という感じ。
そのグラウンドに沿うように進めば、田んぼの中を真直ぐに進む道と合流。
スラッとした綺麗な道なのにその幅は狭くて田舎道らしくないなー。
って、白々しいですね。
ご存知。こちらが1887年開通時の旧線。1920年に新線に切り替えられるまでの33年間はここを汽車が通っていたんですね。
前回の黒田原駅も新線切替で現在位置にあって、旧駅は町役場の近く。松の木は駅由来のものかと思って期待していたのでした。
開通時は川に沿って進み県境を越えた所でグイッと登って白坂に至っていたようです。
新線(と言っても、もう100年)は高久から川縁を捨てて山襞を築堤と橋梁で結んで徐々に高度を稼ぐようにしたのですね。
ですので、最後の黒川橋梁ではこんなに高度差が。
右下の木々の間にチョコッと見えているのが旧線。ここから1Km程で30mくらい登らなきゃなんないんだからそりぁ大変だった事でしょう。
廃線跡の黒田原方面、黒川を渡る所には旧橋台のモニュメントがあるというのでそこまで行って一杯やりますか。
と、思ったのですが、ヤヤヤ。
40分もあるので余裕と思っていたのにそろそろ駅に戻らなければならない時間になってます。
おっかしいなー?
降って来た坂をエッチラオッチラ登っていると1台の車が降りて来て停まりました。
「豊原駅はどこですか?」
福島ナンバーのその車は国道4号から栃木県道105号豊原停車場線をやって来たのでしょうが、いくら豊原駅が駅前広場も無く駅舎改築中とは言え横を通れば解るはず。
県道は駅の南側を大きく迂回しているのでカーナビだとその部分を短絡するルートが示されるかも。
その道は駅からほんの少し白河寄りに出て来ます。
なのでそこから右手を見れば駅が見えるのですが、
う~む。
やっぱり駅には見えないか。
短絡ルートが東北本線を潜る所は小さなトンネル。
昔ながらの石とレンガでできています。
規格も昔ながらで高さ制限2m。
なので、使い勝手が悪いのでしょう。
そこで、ちょっとでも広げてやろうかという努力の跡があちこちについているのでした。
コメント(4)