<20年前は                                        登り窯焼成中>

東京都交通局 荒川線

 投稿日時 2010/10/31(日) 午前 8:07  書庫 鉄道雑記  カテゴリー 鉄道、列車
 


 すんまっせーん。
 はっきり言って甘く見てました。荒川線。
 だって中途半端じゃないですか。
 かつては網の目の様に張り巡らされていた都電、つまり路面電車は車の邪魔だからと廃止されたのに荒川線だけはそのほとんどが専用軌道だから残ったんでしょ。
路面電車なの?普通鉄道なの?
 起点終点共に他の鉄道と接していないからよほどその気にならないと乗りにくいし、下町の地味な所を走っているからこれと言った風景も望めそうもないし。
 やる気があるなら2両編成とかになってもよさそうなのに1両の電車がトコトコ。
 だったら世田谷線や江ノ電の方が面白いじゃん。

10月24日。
 目白でつまらない用事がありまして、それが終わって、ああ、そういえば近くに都電が走っていたっけ、とぶらぶら歩いて千登世橋まで行ったらおよよ、立派な石垣。その下には川ではなく道路。荒川線はその道に沿って走っておりまして、これ江戸時代には川だった所を道にしたんだよねー、とブラタモ的な事を考えながらその道に降りてみれば、こりゃー川の勾配じゃないなー、平行している線路も、こりゃー鉄道の勾配じゃないぞー。ム。

 すぐにあった学習院下駅、いや停留所。たしか早稲田はそう遠くは無かったはずとパスしてぶらぶら。沿線にはカメラを構えた人多数。多数と言っても荒川線ごときにと私的に感じる程度。何かイベントでもあるのかな?
 神田川を渡ると線路は急カーブ。ちょうど電車がやって来て赤信号で停止。ここから線路は道路の中央に割り込んでいく。黄色の矢印が点灯して発車。おー、むかーし車の教本で見たやつじゃないの。ムム。

 早稲田停留所は道路の真ん中にありまして、横断歩道を利用して上陸。ちようどピカピカの新車が停まっていたけどなんだか似つかわしくないなーと見送り。運転手さんが、乗らないの?とちょっと怪訝な顔。やがてちょっと古そうなやつがやって来て向かい側先っちょの方のホームで客を降ろすのかと思っていたらそのままグキッズズッと目の前に。
 降車が終わると運転手さんが移動して料金箱のカバーをはずしてバックミラーをぴょこんと出してさぁどうぞ。
 で、第一の難関が料金支払い。
 これその会社によってその方法が様々で、両替してから規定料金を投入するのとか、お釣りがある場合は専用投入口に入れるとかややこしくて苦手なんです。
 で、百円玉二つを見せてちょっと戸惑っていたら、こちらへどうぞ。
 料金箱には硬貨投入口と紙幣投入口のみ。それとカードタッチ場所。
 チャララと投入したらチャリリリと10円玉4枚がかえってきました。これは楽でいいなー。しかし、それ以上にその案内対応がソフト。所によってはここでまごついていると、何やってんのあんた。どこの田舎から出てきたの?と冷たい対応をされる事があるのだが、この運転手さんそれでも東京都職員なの?(偏見)というくらい丁寧な対応なのでした。ムムム

 16:04。3人の客を乗せて発車。52分の旅の始まり。でも赤信号ですぐ停車。面影橋を出て先程の急カーブをやはり黄色矢印が点くのを待って曲がり学習院下の上り坂。
 傍から見る以上に急な勾配ですねー。よく登れるなー。勾配標は見当たらないけど制動試験という標識が立っている。やはりここの勾配は尋常ではないですね。ムムムム。

 空いていたのは鬼子母神前まででした。乗って来た人の半数は現金支払いであとはカードをピッとかざすかおそらくは敬老パスらしきものを見せる人。現金の人は観光客でしょうがカードの人は地元の人かどうかが解りにくいですね。昔ですと定期券を見せて乗る人が地元の人と解りやすかったのでしょうが。
 現金の人はやっぱりまごつく方が多いのですが運転手さんは丁寧に丁寧に対応しています。
 電車はサンシャインを見上げながら右へ左へそして上へ下へとコショコショと走ります。こんなに線路の勾配区間が多いとは思ってもいませんでした。それもみな急。沿線風景は下町風なのに山手なのですね。この起伏の激しさは山手線に乗っていてはうかがい知れません。極端に言えばミニジェットコースターみたいです。ムムムムム。

 踏切がいっぱいあります。どの踏切も閉じると黄色のランプが点灯するようになっています。昔こんな光景をどこかで見たなー。あぁ、京福電鉄だったっけ。
 大きな通りの踏切は信号機付きで車と平等。電車優先ではありません。道路側の信号が青だと皆一時停止せず踏切を渡っていきます。歩行者もそう。直前まで電車が迫っているのに平然と渡っていきます。私ならたぶんビビって立ち止まっちゃいます。
 道路の信号が赤になると電車の信号が×からTに変わります。でも対向の電車があると踏切前で一時停止してその電車が踏切を通り過ぎるのを待ちます。対向電車の後ろから急に人が出てきたら停まりきれませんから完全に踏切内の安全が見通せるようになってから渡るのですね。ムムムムムム。

 急カーブもいっぱいあります。そのカーブ毎に制限速度を示す標識が立っています。25とか。
 で、大塚駅前の手前のカーブでついに10が出ました。時速10キロ制限てなんかすごくないですか。
 大塚駅前という名前も妙に感じました。だってホームの真下にあるし改札すぐだしその辺にゴロゴロしている乗り換え駅よりよっぽど乗り換え便利じゃないですか。ここ駅前じゃなくて駅ですよ。ムムムムムムム。

 大塚駅で大量下車の大量乗車で差引ほぼ満員。
 飛鳥山停留所を黄色信号で発車するとすぐ先の交差点赤信号で道路上に停車。うーんこの交差点は難しいなー。青信号の目と鼻の先が赤信号。都電の運転手はなれたものだろうけどついうっかりそのまま行っちゃいそう。並んだ車もなんか戸惑っている風。現に1台の車が、止まりなさい、とパトカーに。
 ここからちょっとの間は併用軌道で車と一緒に急坂を下っていく。こちらはソロソロで向こうはヒュン。ぶつかりそう。スリル満点。
 京浜東北線の下でねじ込むような右カーブ。接触注意の看板があって、つまり事故がけっこうあるんでしょうね。ムムムムムムムム。

 王子駅前でまた大量下車のそれを上回る大量乗車で満員。ほとんどの人がカードで乗ってきます。この先はこれと言っためぼしい観光地は無いので地元の人の利用がほとんどなのでしょうね。そしてこの区間の利用者が最も多いのでしょう。王子駅前行きの電車とすれ違いました。
 ここからは地形が平坦になって勾配は無くなります。ポツポツと客を降ろしながら荒川車庫前着。発車して車庫への分岐線や展示してある古い車両が見えるとすぐに次の駅、荒川車庫前着。所要時間5秒。ムムムムムムムムム。

 他の鉄道と接する停留所でどっと空くかと思いきやそんな事は無くまた、どっと乗ってくる事もなく荒川の名の付く停留所をいくつも過ぎて徐々に車内も空いてきて日も暮れて気づけば17時も過ぎて雨に濡れる薄暗い三ノ輪橋到着。
 結局56分かかったけど遅れて着いた訳ではなさそう。これで160円は安いなー。
 駅の目の前はジーンと明るい商店街でいいにおいがプンプン。赤い提灯がブーラブラ。
ムムムムムムムムムムー。
 くそー!!最寄駅まで車で来ちゃっていたじゃねぇか。!


 荒川線は思っていたものとは全然違う楽しい路線でした。
 そして再度じっくりと訪れてみたくなりました。
 その時は一日乗車券を買ってあちこちで乗り降りして、もちろん最後は三ノ輪橋で打ち上げやって。

コメント(2)

 

 

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大塚駅と王子駅でいつも上から見ています。
あんまり興味が沸かないのは、どことも線路がつながっていないからでしょねぇ。。。
私もたまには乗ってみようかなと・・・  
2010/10/31(日) 午後 7:11  LUN
 
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そうですね。線路的な面白みは少ない路線ですね。
荒川車庫辺りがちょっと楽しそうではありますが。  
2010/11/1(月) 午後 7:13  NEKOTETU