NHKに
『魔改造の夜』という
番組が有ります。
個人的には
時折り見る程度の番組です。
色んなメーカーが
お題を与えられ
それに対する改造を提示し作り
優勝を競う。
でも参加チームは三社限定。
どんな風に選ばれているのか
視聴者には判らない。
まあ、簡単に言えば
NHK主催のイベントです。
先日
鳩時計の競技が有って
それを見ていたのですが
メーカーの真剣度が
伝わって来ませんでした。
魔改造の夜・鳩時計編
当事者達は
勿論真剣ですが
会社本体の真剣度が
伝わって来ない。
まあ、テレビのイベントですから
それも仕方の無い事ですが。
何が問題なのかと言うと
リーダーはいても
総監督がいない事。
全体像を総括して見ている人がいない。
これが問題です。
作品の完成度を
高めるのは
実は総監督の仕事。
その為には
問題点を他者の視点から
冷静に洗い出し
全体の構成を判断して行かなくては
なりません。
成功率を上げる為に。
鳩時計編では
打ち上げる高さと正確さ
スムーズに流れる一連の動作が
何よりも優先される。
鳩時計の窓から打ち出すのであれば
その窓に限りなく近い位置から
打ち出さなければ
窓枠にぶつかってしまう。
シロウトでも判る現実です。
打ち上げる高さと方向性は
打ち上げ方で決まって来る。
スロープの長さが
正確な打ち上げを担保します。
簡単に言えば
銃弾を撃ち出すのと
同じなんです。
鳩時計の窓から
鳩型の銃弾を撃ち出す発想。
後は力加減。
考え方は
もの凄くシンプルなんです。
ですから
全体を見渡す総監督が居れば
当然冷静にその判断は出来た筈。
鳩時計の窓から
鳩型の弾丸を発射させて
目的の場所に命中させる。
そのターゲットが
袋状の網の中な訳です。
監修者、総監督が居れば
問題点は簡単に指摘出来た筈。
失敗する原因箇所。
でもそれをどこもしていなかった。
チームリーダーに
任せっぱなし。
冷静に問題点を指摘出来る人間を
置いていない。
発言力の有る分析担当の不在。
出版社で言えば
実は校閲がいない状態に近い。
他者の目が無い。
テレビのイベントだからでしょうか。
そうとしか考えられない。
鳩時計編の重要ポイントは
高く正確に連射して打ち上げる事。
鳩時計の窓に突っかからない事。
その為の打ち上げスタイルを確立する事。
連射のスピードに
拘ると
正確性が失われてしまう。
打ち上げ方の正確性に拘ると
スピードが失われてしまう。
構造は玉入れと一緒ですし
一度に投げ上げる数は
鳩時計の窓の大きさで決まって来る。
後は弾込めの時間。
長く正確な銃口を
鳩時計の窓にどう繋げていくのか
正確な射出を
どう構築するのか。
不具合の出ない弾込めのシステム構築。
冷静に考えて行けば
全体像は割と簡単に導く事が
出来るのですが
そういう挑戦者はいませんでした。
部分部分を繋げている。
統括が成されていない。
メーカーの真剣度が
足りない、というのは
そう言う点です。
部分から組み上げる完成形ではなく
全体像から
失敗の無いカタチを組み上げる
思考方法。
これが
総監督・監修者が必要な理由です。
鳩パーツを使った
玉入れモドキは
優勝が二羽。
準優勝が一羽。
そんな結果で終わりました。
百羽入れる目標は
夢のまた夢。
各チーム
時間が足りなかったのでしょう。
綺麗な銃身で
綺麗な連射・射出が出来た所は
有りませんでした。
出来なかった理由は
やはり欠点の極めて少ない
カタチを
最初に構築出来なかった所に有ると
自分は思っています。