エコーを見ながらの説明が終わり

改めて先生と今後についての話をする

 

 

涙が出そうなのをぐっと我慢する

 

 

夫は隣に座って話を聞く間、手を握っていてくれた

 

「先程も言ったけど、骨の病気は400種類くらいあって、どの病気に該当するかは今ははっきりと分からないんだけど…」

 

と言いながら先生が説明の為に最初に開いた医学書のページに書いてあった文字は

 

 

『致死性骨異形成症(現、タナトフォリック骨異形成症)』

 

 

『致死性』という強い言葉に絶望感を覚えた。

 

他のページもめくっていたけど、最終的にタナトのページに戻ってきていたからおそらくこの病気なんだな、と推測できた。

 

 

再度このまま妊娠継続するという事でいいですね、と確認された。

 

 

残り3日でどうしろと言うのだろう

と思った。

考える時間があまりにもなさすぎた。

 

 

私が経膣分娩が可能であったなら

私が20代とか30代とか今より若ければ

中絶を選択したと思う。

 

でも、私はもう41歳だし

中絶するにしても帝王切開で

現時点ではリスクが高い

 

 

先生が「私ならやりたくない」

と言ってる事を

リスクを犯してまで出来ない

 

選びようがない…

 

 

性別も分かって

名前も考えて

これから必要な物を揃えていこうって

思っていた矢先

 

 

まさかお腹にいる時点で

我が子に余命宣告されるような病気が発覚するなんて…

 

 

長い長い診察が終わって

待合室に戻る

 

 

ボー然とした。

 

 

病院では泣かなかった。

 

 

 

妊娠自体が奇跡みたいなもんなのにさ

さらにこの歳で自然妊娠した事が奇跡でさ

さらにさらに奇跡みたいな確率の病気を持ってくるなんて

 

ポコちゃん、なんか凄いね

 

今なら宝くじ当たるんじゃないの?

 

 

って話しながら帰った

 

 

 

 

自宅に帰り、荷物を置いて気が抜けた瞬間

急に涙が出てきた

 

 

帰り道もずっと我慢していた

 

 

自分でもびっくりするぐらい

声をあげて泣いていた

夫も私の背中をさすりながら

一緒に泣いてくれた

 

 

なんでなんだろう

なんでうちの子なんだろう

16年待って

ようやく授かった子なのに

こんな仕打ちってないよ

 

 

誰が悪いわけでもない

やるせない気持ちだけがぐるぐるとまわる

 

 

 

 

ただ、それがこの子の運命なのならば、私達は親としてしっかりと受け止めてあげないといけないと思う

 

この子が私達の元に来てくれた事に何か意味があるはずだから