そろそろ、時期的にはホームセンターの園芸売り場からは食虫植物の姿はなくなりつつあるが、代わりに植物園等では食虫植物展が開かれ、売り物も並んでいるところがある。
箱根の仙石原にある湿生花園も、毎年展示をやっており、巨大なネペンテスやサラセニアの展示が目を引く。そして、数百株のハエトリソウを植え込んだディスプレイは圧巻で、食虫植物栽培のモチベーションを高めてくれる。
20数年前だが、ここの売り物で非常に特徴的なハエトリソウがあった。捕虫葉の内側がワインレッドで、刺まで赤黒い遠目からでも明らかに違う個体で、  ロゼットタイプの葉柄も短い。今うちにあるのは大彰園の株が殆どで、ロゼットタイプの個体を選んではいるが、明らかに違う。今でこそ、様々な変異の個体が出回っているが、それは普通のが500円程度なのに7~800円と当時としてはやや高かった。宮城野の近くの山野草店が卸していて、出元は神奈川県内の生産者らしい。昔は伊勢丹の屋外園芸売り場にも僅かながら入荷していた。今では、その山野草店も生産者も廃業してしまったそうだし、伊勢丹の屋外園芸売り場もなくなって久しい。しかし、あのハエトリソウだけは鮮烈に記憶に刻まれており、栽培の目標となっている。