写真でも映像でも、新幹線を見るたびに思い出す人がいます。
前回日本へ一時帰国した時に新幹線に乗りました。
初めて新幹線に乗った夫は、その速さと静かさにビックリし、ナマ富士山を初めて見て感動してスケッチし、そりゃもう子供のような騒ぎでした。
ま、夫はともかく。
3席の並びに夫と私、そして残り1席に着物を着たどこかのお師匠さん風の女性が座りました。
彼女はとてもモノ慣れた風にテキパキと身を落ち着けると、座席の背もたれを倒そうとしました。
ところが、その3席は車両のいちばん後ろだったため、私達や他の乗客のスーツケースの山がつっかえてシートを倒せません。
普通諦めますよね?私は諦めました
足元は充分なスペースがあるし、たかが数時間のことです。
ニューヨークから狭いエコノミークラスの座席で13時間我慢した事を思えば、何でもありません。
ところがお師匠さんは諦めなかった。

座席の後ろに山と積まれたスーツケースを全部引っ張り出して、パズルのようにきれいに組み合わせました。
すごく大きくて重いのもあったのに、ものすごい力です。
座席にまた収まった彼女は、優雅に着物の襟元を直して満足そうでした。
これはでも、アメリカでこれをやったら問題になるんじゃないかな。



私は他人の荷物には触らないのが常識だと思っていました。
でも、お師匠さんにとっては座席を倒せないようなスーツケースの積み方こそ非常識なんでしょう。
ところで私達のスーツケースは奥の下の方になっていて、降りる時に取り出すのに苦労しましたっけ。

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