アメリカ人にとって、魚ってハードルがまだまだ高いようです。
アメリカ北東部、ニューイングランド地方の海沿いの市町村にはシーフード・レストランがたくさんあって繁盛しています。
並ばないと席がない所さえあります。
が、そのシーフードとは大体ロブスターの茹でたのだったり、エビやイカの天ぷらっぽい揚げたやつだったり。
あるいは、鱈を使った”Fish and Chips"。
とにかく揚げ物。
ま、それだってシーフードには間違いないのですが。
その次のステップは、意外にも生の魚の切り身を酢飯にのせた寿司。
生なんですが、生臭さがないし。
しかし夫の両親(父親は今年亡くなりましたが)は、もうこの段階でふるい落とされます。
以前連れていった寿司屋で、生の魚を口にするのを拒否しました。
「店に入る前に言わんかい!生魚を食べようともしないなら寿司屋の入り口をまたぐな!」と密かに私を激怒させたことがありましたっけ。義父母ですもんねー、口には出せませんよねー
そして次が魚の切り身。
ステーキ状に焼いたり、グリルしたものの上にソースをかけたりしたもの。
案外、揚げたり生だったりするより魚の味が強く出ます。
で、魚上級クラスは、頭や目が付いたものを食べられる人。
あじの開きだったり、お頭付きの魚の焼き物とか。
なぜこれらがハードルが高いかといえば、きっと魚のビジュアルがダメなんだと思います。
ダメな人には、頭や目が付いたものはたとえシラスでもダメでしょう。
こういうアメリカ人に”かぶと煮”なんか出したら、失神モノかと。
頭オンリー
以前働いていたレストランのキッチンで、オーナーの友人が釣れたからといって1メートルはあるかというブラック・シーバス(すずきの一種?)を持ってきてくれたものの、どう料理すればいいのか困りました。
迷った挙句、やっぱり魚料理をオーダーしてくれる客はいないからといって、フライにしたことがあったなー。もったいない
日本でも魚離れが進んでいるのかもしれません。
でもあの魚屋で流れた歌のように”魚を食べると頭が良くなる”そうですから。