夫の母は、アメリカではあまり他に例を見ないくらいの寂しがりで依頼心が強い人です。
3月初めに亡くなった夫の父とは、結婚して以来52年間何をするにも一緒、彼女は外で働いたこともなく、ずっと専業主婦でした。
彼女だけ友人と出かけたことは一度もないそうです。
そんな人ですから、彼女の夫を亡くしてからの心細さ、寂しさは分かります。
分かりますが、4ヶ月以上経つ今になっても「ひとりぼっちで寂しい」「こんなことなら夫と一緒に死にたかった」と、泣いている様子には困惑するばかり。
皆が「あれをすれば」「こういうのに行ってみれば」とアドバイスしますが聞く耳を持たず、「私と一緒にこの家に住んで(簡単に言うけどアリゾナ州)」と言ってくるのには、夫も夫の弟も手を焼いています。
それでも息子としては気がかりなので、夫は1日おきに義母に電話し、義母からは3日に一度くらいの頻度で電話がかかってきます。ほとんど毎日
普段、義母は携帯じゃなく家の固定電話にかけてきます。
一度義母から電話があった時、3階と2階にいた夫と私が同時に「Hello?]と出たことがありました。
2人して受話器をとったため、義母と3人での通話が可能になりました。
出ちゃった以上、今電話を切るのもアレだし、3人で話しました。
それが、義母にとってものすごーくツボだったらしく、それ以来電話をかけてくる度に夫も私も両方徴集されます。
ところが昨夜、私の携帯が鳴りました。
見てみると義母からフェイスタイムで電話がかかってきています。
実は恥ずかしながら、フェイスタイムなるものを使ったことがありません。
顔をみながら話したい人なんていないし、連絡はほとんどテキストだし。
何事かと思って出てみましたが、自分の顔が映っているだけです。
その直後に今度は家の固定電話が鳴り、やっぱり義母からです。
お義母さん、いったい何がしたいんです?
義母の話を聞いてみると、今度はさらにフェイスタイムで顔も見ながらと考えたようです。
どういうわけか私が出ると切れてしまうので、まだフェイスタイムで話してはいませんが、義母は諦めません。
今日は、もう3回もかかってきました。
徴集されるだけでは済まず、今度は夫と小さな携帯の前で雁首揃えて通話しなくてはならないのか・・・と、目の前が暗くなります。