レストランのキッチンで一緒に働く同僚に、Dという女性がいます。
一緒に働くといっても彼女は夜のシフトなので、私のシフトと重なるのは1時間だけなんですが。
Dは、時々珍しい食材を持ってきては自分の夜食として料理しています。
そういうところが、オーナーやマネージャーには「来るなり自分のための料理って、何しに来てるんだ!」と不評でボロクソ言われたりするのですが、当の彼女は”どこ吹く風”といった様子で、ちーーーっとも気にしません。
ある意味、うらやましいくらい肝が据わっています。
さて先日、そのDが細長い茶色のものを持ってきて料理し始めました。
私が今まで見たことがないものです。
興味深々で見守っていると、硬そうな皮を剝いた中は真っ白。
ココナッツのような白さです。
彼女の説明によれば、それを15分くらい茹でて、その後オイルで炒めるんだそう。
オニオンとトマトと一緒に炒めるのが好みだと説明してくれる彼女の口調があまりにもおいしそうで、実際説明している彼女も聞いている私も、「あー、よだれが垂れそう」になりました。
さっそくスーパーマーケットへ行き、それを探してみました。
が、よく似たものがいくつかあって、どれだか分かりません。
その日は断念して、Dに名前を訊いてからまた出直すことに。
訊いて分かった名前は、ユカ、キャッサバ、 マニオク、マンジョカ、カサーバ・・・ なんでこんなにたくさん名前があるのか謎ですが。
写真を拝借。実物はもっと茶色でもっと白い
またスーパーマーケットに戻って、1本だけ買いました。
自分でも、すごい執念です。
ほくほくしてうちに帰って、Dの説明とおりに調理してみました。
トマトを忘れたので、オニオンだけで。
味付けはシンプルに塩こしょうだけでしたが、うんまーーーーい!
食感がどストライクで、1本まるっとひとりで食べてしまいました。
味も食感も”イモ”っぽいんですが、イモほどほくほく・もこもこしていなくて、もうちょっとだけカブ系に近寄った感じ。
真ん中にはけっこう頑丈な繊維というか筋があるし。
ユカ、キャッサバあたりは耳にしたことはありましたが、自分で料理して食べたのは初めてです。
新しい好きなものがまたひとつ増えて、とてもうれしい。