料理が好きで、料理エッセイを読んだり、料理番組を見たりするのも好き。
ただ、アメリカ料理はターキーとクランベリーソース、あるいはピーナッツバターとフルーツジャムのサンドイッチなど、組み合わせの妙が私には理解できないものがあります。
なので、自然に日本のものの方が落ち着くというか、見ていて味の想像がついて安心できるというか。
そうして観察しているうちに気がついたことがあります。
いくら画面の中でパスタ料理をを作っていようが、フランス料理を紹介していようが、日本人の先生方は菜箸を使って料理しています。
なんだか、「日本人だな~」と、ほっこりします。
私が働いているキッチンでは、フライヤーという揚げ物専門のステーションがあり、そこでは2台のフライヤーが「いつでも来い!」と、何リットルものサンフラワーオイルを熱し続けています。
毎日オイルを全部出して、中を掃除する。朝の重労働
このフライヤーは揚げ物のオーダーがある都度使われるのですが、それとは別に、レストランのオープン前の準備段階として、ポテトチップとサラダに飾るかりかりに揚げたオニオン、これもトッピングにするチリペッパーの素揚げの3種類を用意する必要があります。
薄くスライスしたポテトを油に落とすと、スターチのせいで、かなりの確率でくっつき合ったりします。
きれいな輪っかにするべきオニオンは、かなりの確率で無限大形∞になってしまったりします。
いずれも、そうなってしまったら使えず、捨てるしかありません。
こんなとき、「あー、菜箸があったらなー」と思います。
油につっこんで、くっついているポテトを離したり、オニオンの形を○に直せるのに。
そう思って、自宅にあった菜箸を持って行きました。
案の定、みんな寄ってきます。
「なに、このチョップスティックス!?長すぎない?」
「普通のでもつまめなくてイライラするのに、こんな長いの、手がつるんじゃない?」
まるで私が手品でも見せているような騒ぎで、閉口しました。
慣れればトングでも同じかもしれませんが、やっぱりいくら長くても菜箸は手先の延長にある感じで、細かいことができます。
レンティル豆は直径2ミリくらいの豆ですが、これをトングで一粒つまむとなったら大変。あんまりそんな機会はないんだけど
それに、フライヤーにトングを長く使っていると、金属なのでだんだん熱が伝わってきて、しまいには熱くて持っていられなくなりますし。
と、家ではあまり使っていなかったくせに、菜箸の良さを確認する今日この頃。
料理の先生方、そういうことですよね?