アメリカ人夫と日本人私の、食の嗜好はけっこう違います。
それは、育った環境が違うのだから当然のことです。
朝食はシリアルにミルクをかけたもののみ、と決めている夫に、私が白米にお味噌汁、焼き魚かなにかにのり、お漬物の朝食を無理強いしようと思わなければ問題はありません。
夫の好きな食べ物は、てっとり早く言えば「子供が好きなもの」です。
ステーキ、マカロニ&チーズやハンバーガー、ピザにホットドッグ、カレーライス、そうそうアイスクリームも大好物。
お寿司も好きと言ってはいますが。
なので、毎日私が作る夕食をどう思って食べているのかは、実はよく分かりません。
そうやってお互いに「違うんだな」ということを了解しあっているうちはいいのですが、たったひとつだけ私の目の前で食べてほしくないものがあります。
それはライスプディング。
これはカスタードクリームのようなもので白米が煮てあるもの。
どろどろしてべたべたしています。
夫の大好物です。
これを初めて目に、口にした時は、日本人相手の冗談かと思いました。
日本での主食といえば、まあ長いこと米なのですが、米が余ったからといってデザートにするという発想は、私の知る限りなかったと思います。
タイへ旅行した時には、米を砂糖水に浸したデザートがあって、その虫歯発見方法のような容赦ない甘さに悶絶しましたっけ。
仮にも米を主食とするタイで、なんということをするのだ!と思ったのを覚えています。
・・・話は戻ってライスプディングです。
これが、同じカスタードソースでも中に入っているのが米じゃなくてタピオカなのが、そのままタピオカプディング。
おいしいとまでは思わないにしても、まあデザートとして好きな人もいるでしょう、とちょっと寛容な気持ちになります。
ということは、私は米が甘く調理されて、デザートに使われていることに対して抵抗を感じているのでしょう。
日本人が外国に来て、「あー私ってやっぱり日本人なんだなー」と実感することってあると思います。
私にとっては、この米への思い入れがそのひとつなのは間違いないでしょう。