日本ではお盆休みですね。
お盆はお正月と並んでとても大事な日本の行事ですが、この”お盆”はアメリカ人にそのコンセプトを説明するのは、困難を極めます。
お正月と違って、アメリカにはないからというだけではない難しさ。
「全く分からないけど、日本の文化は興味深い」という顔つきで聞いていた人も、「ナスやきゅうりに割り箸を刺してご先祖さまを送り迎えする馬に見立てる」というくだりで、眉間にしわが寄ります。
アメリカで死者を迎える行事といえば、ご存知10月下旬のハロウィンですが、これはなんというか、情緒・しめやかさ・厳かさ、どれをとっても違います。
何よりも”死者”と”ご先祖さま”とを一緒くたにはするのは、とても抵抗があります。
アメリカ人にとって、ご先祖さまといえばせいぜい自分の祖父母くらいです。
「グランマはアップルパイを作るのがとても上手だったのよ」という親しみを込めた気持ちを持っていて、もちろんそれはとても良いことですが、日本人のご先祖さまに向ける畏敬の気持ちとはかけ離れたもの。
それは、まさしくお盆とハロウィンとの違いとも言えるかも。
多分、それは日本人の”家”というものに対する考え方が独特だからじゃないでしょうか。
それはお墓に対する思い入れにも通ずるものがあると思います。
アメリカでは、ケネディ家やロックフェラー家などの名家でしか意識されない”家”というものへの考えに似たものが、日本では一般的に持たれているような気がします。(いや、想像するだけですが)
私は田舎で育ったので、仏壇に置かれた割り箸が刺さったナスときゅうりの馬(しつこい)、家長の家に集まり、お坊さんを呼んでお経をあげてもらい、蝉の鳴く暑い中のお墓参り、線香の匂い、などを子供の頃から毎年経験したので、お盆と聞くとそれらをありありと思い出します。
今でもそんなお盆のフルコースをするんでしょうか。