3月20日のニュースだったので、ご存知の方も多いと思いますが、「Sex and The City」でミランダ役を演じたシンシア・ニクソン(Cynthia Nixon)が、今年11月6日に行われるニューヨーク州知事選に出馬することを表明しました。
現知事のアンドリュ-・クオモは3期目も続投することを表明していますので、横から突然のシンシアの出馬にびっくりしていることでしょう。
このニュースを読んだ時、なんとなくもやっとした気持ちを持ちました。
私は「Sex and The City」をそりゃあ大好きでしたし、私が知っているニューヨークとはえらい違う世界に憧れもしました。(なんたって、私のニューヨークはブックオフと居酒屋ですから)
番組の中では、ミランダは弁護士で頭も良くて、冷静で、勇気のある決断をした人でした。
でも、それはそういう役を演じていたんであって、だからといってシンシア自身が同じような人間だと思うのはすごーーーーく危険なことだと思います。
当たり前のことなのですが、でも実際、演じた役柄を、演じた人に投影してしまう人はものすごく多いんです。
それって、金儲けが上手いから大統領になってもうまくやるだろうと思って、トランプに投票したのと同じ匂いがします。
シンシア(ってさっきからなれなれしく呼び捨てですみません)は14歳の時から映画に出ていて、学歴もどうなのか分かりませんし、政治には全くの素人です。
彼女の公約を見るまでもなく、彼女が力を入れているのは教育(彼女自身の子供が学齢期)、同性愛者の権利(彼女自身が同性愛者)、男女平等・・・と、自分に関わることばかり。
一方、クオモ知事の父親のマリオ・クオモもニューヨーク州知事でした。
父親が知事だった時代には父親を手伝っていたというし、政治のことはよく分かっていて、実際次の大統領選挙に出るんじゃないかという噂もあります。
汚職のスキャンダルもありましたが、教育に関しては、他州に住む私がうらやましいくらいの改革をしました。
「Sex and The City」の他のキャストもシンシアを応援すると既にツィートしているし、多分なかなかの票を集めるんじゃないかと思います。
他州の私は余計なお世話で、はらはらしながら指をくわえて見ているしかないのですが、知名度の高さだけで投票するのは本当に正しいかどうか、よく考えてほしいなと願います。