今考えると自分でもびっくりしてしまいますが、しばらく日本語補習校で教えていたことがありました。

小学校4年生の国語と算数を土曜日に。

 

ただ大きな問題は、年齢でいうと4年生というだけで同じクラスにいる子供たちですが、ある子は生まれた時からずっとアメリカ、ある子は去年アメリカへ来たというように、日本語のレベルが全く違うことです。

どこに照準を置いて勉強を進めればいいのか、見当もつきません。

 

「先生!」と呼ばれることにうっとりしていたのは最初だけで、すぐにそれがどれだけ大変か、いやでも思い知らされることになりました。

 

特に今でも夢に出てくるK君。

アメリカ生まれで、お母さんが日本人でお父さんがアメリカ人。

日本語、5歳児並み。

もともとあまりじっとしていることが好きではないのに加えて、全く理解できない授業は退屈でいやで仕方が無い。

立って走り回りだすのはまだいいとしても、黒板消しをつかんでパンパン叩き、あたりをチョークの粉で真っ白にし、みんな咳きこんで大騒ぎに。

 

その他にもげじげじのゴムのおもちゃなんかを持ってきて、女の子にいやがらせするのはいつものことで、いつも私の教室は阿鼻叫喚の有様。

 

終いには、仕方なくK君を後ろから抱え込んで授業をしていました。

 

私の訴えにK君のお母さんは、「うーん、僕ちゃん(K君のことをそう呼ぶらしい)は、ちょっと元気が良すぎるから、大目に見てあげて。先生に甘えてるだけだから」と言って笑っています。

 

いやー、元気が良いっていうレベルですかね?

 

土曜日の準備をする木曜日には胃が痛みだし、体重が3キロ減りました。

ぐったり疲れて自信もなくし、結局その学年の終わりには辞めてしまいました。

 

あれからもう10年近く経ちます。

 

整ったとても可愛らしい顔をしていたK君は、今は20歳くらい。どこでどうしているんでしょう?

会ってみたい気もします。

 

 

 


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