誰も口に出しては言いませんが、アメリカ女性は制服を着た男性に弱いと思います。
制服(以下、ニュアンス的にユニフォームと呼ばせてください)といっても実にいろいろあって、警官、ハイウェイパトロール、消防士、パイロット、軍人、各種スポーツ選手、デリバリーサービスの運転手、各ストアの店員などなど、自動車整備工やごみ収集の作業員のつなぎもまあ、ユニフォームといえるでしょう。
そのうちのどのユニフォームにときめくかは、これはもう全く個人の趣味のようです。
女性同士で「どのユニフォームにときめくか」ということを話し合うと、ものすごい盛り上がりをみせます。
確かに、例えば消防士の鍛えられた身体に、普通の人が着たらひょろけてしまうほどの重さがある防火服は、”セレブにサングラス”くらいよく似合います。
ちなみにアメリカでは、消防車は火事の場合だけではなく、自動車事故など救急車や警察が行くところへも出動します。
彼らがヒーローと呼ばれるのは、武器を持たずに救出のためにドアをぶち破るのに使う手斧いっちょうで飛び込んで行くからです。
ところで以前、ロブスター漁をする独身男性のカレンダーを見つけて笑ってしまいました。
毎月違う男性が、まぐろの漁師が付けるゴムの黒い胸当てズボンのオレンジ版を着て、ポーズを決めていました。
ユニフォームフェチでもなければ、ものすごく理解に苦しむであろう代物でした。
日本でユニフォームフェチといえば、まず男性に多く、その対象は女子高校生のセーラー服だったり、看護婦やスチュワーデスが人気どころかと思います。
アメリカでそういう男性のことを見たり聞いたりしないのは、学生にユニフォームがないこともあるのでしょう。
ユニフォームがある学校もありますが、私立の学費がとてつもなく高価なところで、娘を持つ父親としては、うっとりするよりぞっとするかもしれません。
看護婦さんも、着ているのはヘンなエメラルドグリーンや花柄の上っ張りにズボンといういでたちで、色っぽくもなんともありませんし、スチュワーデスはユニフォームを着てはいますが、だいたいお年を召したボリュームのある身体をした方が多いように見受けられます。
だからなんとなくアメリカでユニフォームに対する思い入れは、男性ではなく女性に多いのは自然なような、不思議なような。
おもしろい現象だなと思います。