夫は、「売れない画家」という肩書きがかもしだす通りの経済状態ですが、そんな彼にもパトロンというか、絵を買って下さる有難い方々がいます。
そういう方々は、もんのすごいお金持ちですが、一見お金持ちには見えません。
普通の、いやあるいは普通以下といった様子をしています。
彼らは、例えばバーキンをいくつも買えるというレベルではなくて、NYのど真ん中に住まいがあって、さらにあちこちに家がある、あるいは気ままに海外旅行する。
だとか、NYのチェルシーの画廊で、「あらいいわね」と、数百万円、数千万円の絵を買ってしまうような人たちです。
普通そういう方々は、同じレベルの人とつきあうのですが、有難いことに、時折夏の休暇に、すごいところにある別荘に私たちを招待して下さる方もいます。
有難いのですが、ただちょっと生活のレベルが違いすぎて、困惑します。
招かれても、私たちは高速ジェットなんて持っていませんから、別荘がある島までフェリーで行かなくてはなりません。
フェリー代はもちろん、オンシーズンのフェリー乗り場の駐車料金に気絶しそうになります。
泊まった夜に行ったレストランでは、海のすぐそばで、椅子はプラスティックの芝生用のものなのに、料理一皿最低80ドル以上だったりします。
実は、今年も招待頂いて、昨日辞退したところです。
宿泊も食事もビーチも用意されているのになぜ?といぶかしく思っているでしょう。
ひょっとして、メールの返事がないことを考えると、怒っているかもしれません。
かように、資本主義アメリカの経済状態の違いとは大きなものです。
夫がパトロンを失ったのではないことを祈ります。