2023年 6月


実家に帰省しました。



2022年の年末に父が亡くなり

祖母が父の妹の住む遠方の施設に入ったことで

昔6人で暮らしていた広い家に

母が1人で住むことになりました。



父が亡くなったあたりでは

ルフィだかっていう強盗関連のニュースが

テレビをつければ毎日報道されており

母は広い家に1人でいることに恐怖し、

なかなか眠れてませんでした。



また、


毎年屋根に雪が積もってくると、


隣の家に雪がなだれ込んだら

お隣さんの家の窓ガラスが割れてしまう、と

雪の被害も恐れていました。



母は腰が弱い。



雪が降り出すと

かなりのストレスだったと思います。



そんなわけで、


母はアパートに引っ越すことに決めたのです。



それで、この6月は夫婦で帰省して

おばあちゃんの家を含む、実家の片付けを

ひたすらしました。




こんな時、

処分に困るのはやはり『写真』だと思います。






しかし、母はすごかった。






姉の、百日祝いあたりでしょうか。

若い父と若い母、赤ちゃんの姉の家族写真。


「姉かわいい〜。お母さん若ーい、キレイ!

この写真は貴重だね」

というと、


母は



「うん、でも処分でいいよ」




私もオットも、「え!」て顔びっくり




母は

「これは、通過点に過ぎないから」


と。



「今、姉は手に職つけて立派に働いて、

何の心配もいらない。

今と未来の方が大事だから。

過去はここ(胸の中)にあるからいいの」


「寝子も、今オットさんと幸せにしていて、

こんなに嬉しいことないよ。

どんなに大事に思う写真も、

墓場までは持っていけないのよ」




これには衝撃を受けました。




モノに執着しまくりの世の中で


こんな思いでモノを手放せる

器の大きさ。愛情の深さ。




母が引っ越しを決めたのも、

自分自身が身軽になり

恐怖から解放されることも

あろうかと思いますが


古い大きな家で腰の弱い母が1人で

暮らしていると

姉が雪かきしに来なければならなかったり

草むしりをしに来なければならなかったりと

姉に負担をかけるのが嫌だったんじゃないか

と思うのです。



また、

母の死後、家の相続で姉や私に面倒な

手続きをさせたりするのも嫌がってました。



父と過ごした愛着のある家なのに


「相続が完了して自分の名義になったら

家を壊して土地を更地にして売る」


と言って引っ越ししたのは

姉や私に心配や手間をかけさせたくないから

だと思うのです。




実際、母があの家を手放し

管理の行き届いたアパートで快適に

暮らすようになったことで、

父の仕死後半年間のような心配事は

減りました。



続きます