ある日の午後のこと
二階で猫が何かやってる
遊びの相談かもしれないと思ってみていたら
も)ね~ね、きなこ
き)なに?もっちゃんどうしたの?
も)なんか変なもの作ってくれたよ
き)なんだろ、これ
も)トンネルのつもりらしいよ
き)へたくそだな、底抜いただけじゃん
も)でもせっかく作ってくれたから、遊んであげようか
き)もっちゃんはやさしいな、よ~~し、いくぞ
も)こっちから見てみよう
き)わたし、こっちから見てみるわ
も)きなちゃん、こんにちわ
き)もっちゃんめっけ~ってあんまり面白くないな
も)そうだねー、まあ、つまんないものでもさ
楽しそうに遊ぶのが飼い猫の仕事だよ
飼い主に気を使ってあげなくちゃ、ご飯もらうんだから
き)さすがだよ、もっちゃん。だてに3年半も生きてないわね
も)うふふ、いい年ごろよ。
それにしてもきなこはお父ちゃんべったりだね
き)わたし、お父ちゃん好きだよ。怒らないもん
それにわたしたち、お父ちゃんが選んでくれたんだよ
どこかに捨てられてたかもしれないのにさ
も)まあ、そうね。それは確かだね。
わたしなんか人見知りだからね、もらいていなかったかも~
き)もっちゃんはもう少し愛想よくした方がいいと思うよ
も)いやよ、猫はこびたりしないものよ
き)見られてるよ、もっちゃん
も)内緒だよ、きなこはおしゃべりなんだから
たまには飼い猫の会話に耳を傾けてみよう
何言ってるのか、ドキドキだけどね
きっと、もっとご飯くれ~~って言ってる