かつてはボスの座に君臨していたリョウマ

 

その本名は意外にも(しま)と言う

 

しまねこだからと言う安易な名づけだ

 

団地で猫に飯をあげる人たちがいて

 

その様子を僕は見ていた

 

単なる野次馬だひひ~~ん

 

所がある日家に戻ると

 

 

なんてこった!

 

 

image

 

 

玄関のドアの前にリョウマが座ってる

 

門もくぐったか、飛び越えたかで入ったようだ

 

なんで僕の家を知ってるんだ!

 

尾行されたか・・・・

 

いやいやそんなことはないはず

 

ここらでリョウマを見たことはない

 

 

image

 

 

それからと言うもの

 

庭の前の駐車場からまず手すりに乗って

 

そこからフェンスを飛び越えて庭に来た

 

(帰るときも同じルートだ)

 

最初は土の上にゴロゴロして寝て

 

差し上げたカリカリを食べて出かけて行った

 

まるで家か休憩所だ

 

さすがに毎日来ると土の上では気の毒で

 

専用のベッドを作りカーペットを貼った

 

 

image

 

 

そしたら、ちゃんとそこで寝るようになった

 

長いときは朝から午後二時くらいまで寝ていた

 

夜通し遊んでるんだろうな

 

チャボのゴマちゃんとも共存していて

 

どちらも驚かず近くにいても平気だ

 

リョウマのおかげでゴマちゃんを狙う猫は

 

全く来なくなった

 

オス猫の臭いに近寄れないな

 

(ゴマちゃんは猫に襲われ、くわえて逃げられたこともあった)

 

そんな関係は2年続いた

 

 

image

 

 

2年近く前に突然行方不明になった

 

1か月以上姿を見せなかった

 

現れた時にはやせ衰えてよぼよぼだった

 

やっとフェンスを乗り越えてベッドに来ると

 

飯を食べてひたすら眠った・・・・

 

安心したのだろう

 

どこか旅先で捕まって去勢されたようだ

 

翌日もう一回現れた

 

それがうちに来た最後だった

 

今はと言うと

 

団地に居ついて撫でられて生きている

 

もうけんかすることもなく

 

交通事故の心配もほぼなくなった

 

さて、どちらが幸せだったのだろうか