大阪で本日ラストの滑り込み!


 こんにちは🎬アイロンです🐭


 今年は話題になった映画が多すぎて、常に

話題作が上映館の奪い合いになってワタクシ

の好きな映画がどんどん終了していく悲しみ

を味わっておりますえーん


 最近口コミで話題になる映画の中でも

特に異彩を放っており、とても気になっていた

『トリツカレ男』

 最近はずっと朝枠だけの上映で中々見に

行けず、今回たまたま明日が昼から仕事で

夜なんか映画見るもんないかな〜と探してた所

まさかのラスト表記で完全に見逃す所でした。


 正直宣伝ポスターの絵柄から面白そうと

全く思えず、映画上映前の宣伝でもほぼ見た

ことがなかったのでTwitterで話題にして

くれた人がいなかったら絶対見てなかった

と思います。


視聴後は、内容が突飛で画面もキャラも

展開もぐりんぐりん動き回るし、まるで

フラッシュで切り替わる夢の中みたいな

映像作品でした。

 そして終始ハートフルな物語と思わせや

途中から大人もヒヤリと汗が出るハード

を見せてきて、見終わった今でもこれは

どの年齢層向けなのか分からない衝撃作

でした。

 

 そんなカオスな物語も主人公の奇妙な

トリツカレ特性によって見事にまとまり、

ラストには最上級の愛を全身に浴び、

ワタクシ爆泣き。

 拍手喝采スタンディングオベーション

したくなる作品でした。









あらすじ


 一見ヒョロガリの平凡男ジュゼッペ

興味を持ったものに対して、まるで取り憑かれ

たかのごとく夢中になり、周囲から変わり者の

トリツカレ男と呼ばれていた。

 相変わらず様々な事柄に取り憑かれている

中、異国からやってきたヒロインペチカ

一目惚れする。

 ペチカに夢中になるうちに、彼女の笑顔に

暗がりがあることに気づく。次第に、彼女の

笑顔のためならギャングに対して命懸けで

取引するなど狂気といっても過言ではない

方法でペチカを幸せにしようと奮闘する物語。


↓※以下本編ネタバレあり感想

 



序盤中盤のネタバレ有り感想


 ミュージカルアニメなのは知っていたの

ですが、ミュージカルに至るまでの経緯が

斬新すぎる。

 主人公のジュゼッペは夢中になると取り

憑かれたみたいに、そればかりになると

いう設定を生かして、歌に夢中になった

から会話のほとんどが歌(ミュージカル)

になるという設定。

 この設定のおかげでミュージカルの急に

歌が始まるという一見すると異様な光景が

1人の男だけが異常で他の人は正常だと

存外すんなり受け入れられるのが面白い。

 よく映画でミュージカルが始まり、

主人公達がメタ的視点で何で急に歌い始め

たんだ…と驚くシーンが有りますが、

こういったメタメタなギャグに弱い!ここ

からワタクシも映画に夢中になりました。


 親友の小鼠のシエロが出会った時は声が

高くて、数ヶ月で成長してから声変わりする

描写の細かさが丁寧で良い。

 シーンとしては別に不要なのにわざわざ入れる

ことで2人の積み重ねた絆の物語が味わい深く

ペチカとジュゼッペの物語だとしても、絶対

必要な存在だと思えました。

 寂しい時に出会って世話をしてくれて、

会話もしてくれるジュゼッペが大好きなんだ

ろうなぁと思えて本当にかわいい。

 そして周りはネズミ語が分からないから

ジュゼッペがひたすらチューチューネズミ

に話しかけてる異様さがシュールでした。


 序盤ですでにオモロだなぁ〜とぼーっと

見ていたのですが、絵本みたいな世界線から

いきなりはみ出してきたツイスト親分とか

いうギャングの存在。

 ここで一気にこの人そういやクレしんの

監督ジャン!とぱっと分かるような演出。

 この親分が魅力的で、作中では悪のカリスマ

的なんですが、それが分かる愛らしさがあり

1番好きなキャラクターです。


 またヒロインであるペチカもブレーキ

の効かない自転車で止まらず走りたいと

危うさの中に、誰からのしがらみを受けず

突き進む強さを垣間見ることができ、

こりゃ恋に落ちてしまうなと思いました。


 ギャングが出てきたことでここが1番ハード

ポイントか?と思ったらここからどんどん

シビアな世界へと進んでいきます。




終盤のネタバレ有り感想


 まさか医者になって病院へ飛び込むとは

と唖然としましたし、おそらく喘息の患者に

いきなりサングラスを渡すのは奇想天外でした

ね。

 多分アレルゲンを遮断する目的なのか?

と未だに理由は良く分からんのですが、

歌で腹式呼吸+音楽療法を用いるというのは

ミュージカルの導入としても治療としても

めっちゃイケてる!と思いました笑


 もうこれで諸々解決だぜ!と思っていたら

まさかの婚約者の登場と死別の事実…

 この婚約者がえらく人格者であることと

死に至るまでの描写がかなり細かく、

というか普通に痛々しく描かれており、

さっきまでの微笑ましさがガラガラと崩れ

ていきました。


 ここから先の展開でトリツカレているの

はジュゼッペだけでなくペチカでもあった

と判明し、ジュゼッペが自分の命までをも

削りながら他人のフリをして愛を贈り続ける

ことが余りにも無償すぎるだろ…と、

愛なんて返ってきてなんぼでしょ…!と

心の中で1人嘆いておりましたわ。

 見た目も形も歪な愛に対してワタクシも

完全にシエロとおんなじ反応してましたね。


 ラストの展開で

自分だけが夢中になれればそれで良い、

自由で気ままで何も得られなくても良いという

生き方をした男のラストが、

今までの積み重ねた物で贈った愛を、怪我で

何も贈れない状態になったけど、無償の愛を

贈られる形になったというのがなんて素敵な

終焉か。

 

 周りから啜り泣きの声が聞こえないから

鼻水を啜るの我慢して結構息がしんどかった

です。

 皆んな何で泣かないんですか。

涙が枯れてる!?

 後隣の人が寝てたのかラストの歌唱シーン

でポップコーン落として床に飛散してて

びっくりしました。寝るな!!

 



 というわけで、映画見る前はYouTubeの

数秒の宣伝で、絵柄の割にえらく爽やかな

ボイスに対してもやや忌避感があったの

ですが、映画が始まってからはもうこれこれ!

と思って楽しめました。

 アイドルさんだったのですね、歌上手い

からミュージカル俳優とかと思いました。

 

 キャラクターも皆良いやつばっかで

特にレストランのマスターが終始ジュゼッペ

の保護者的立ち位置で、1人遠巻きにされてる

ようなジュゼッペでも、本当は全然1人じゃ

なかったように思えて暖かい作品でした。


 ワタクシ、クレヨンしんちゃんの映画

めっちゃ好きなのですが、この映画の監督

が作った『ユメミーワールド』『天カス学園』

とか文句のつけどころのない作品はもちろん

結構賛否ある『カンフーボーイズ』の終始

カオスな展開と、ラストのヒロインが皆の

ことを思えば思うほど孤立してしまい

最終的に孤独になるあの感じが好きなので、

そのようなワチャワチャ感と寂寥感の

バランスにこれこれ〜となりました。


 良い映画でした。本当に


上映終わるのが早すぎると思いますけどね!😭