入院中の父が母にボソッと呟いた
「やりたいことがあるのに、、」と
その時、父の心臓は限界を迎えていて、
もう家に帰れないかもしれないと悟ったのでしょう
どうしても家に帰りたい 
先生に直談判して3泊４日の一時帰宅を勝ち取った父
酸素ボンベを引きながら家に帰ってきました
夕方、テーブルにつくと、母に
「あれちょうだい」
と広告チラシを催促
そして、もくもくと折り始めたのは
広告チラシで作ったゴミ入れでした
通っていたデイサービスで、テーブルの上のゴミを見てこれを作ってみせたところ大好評 
以後、約2年間、チラシを託されてはせっせ、せっせと折り続けてきました 
ふうーっと大きく息を吐きながら、手を止めながらもポチりポチリと折り進めます
途中からは家族全員加わり、流れ作業へと変わっていきました
全部折り上がると
「母ちゃん、これ、必ずデイサービスに届けてな」
と伝えた父の安堵した表情を見て
母は、やりたい事って、、これだったの 
私はてっきり旅行に行きたい、とか、温泉に入りたいとか、そんなことだと思ってたわ 😊
と笑った
その後、
ご飯 
やフルーツを食べながら、
うまい！ うまい！ を連発し
夜には親戚も集まって、父が病院でみたおばけの話で大爆笑 
最後の1日を残したまま、私たちのもとを旅立っていきました。
そんな父の葬儀の日
火葬場の待合室のテーブルの上に、
例のあれが、、
父が最後まで折り続けたアレが、、
そこかしこに並べられていました😊
お父さん、まだまだ折りたりなかったのね😅