エシャ愛子です。
息子が6年間使っていた部屋には
穴がいくつも開いています。
チックが酷くなり
中学校に行けなくなって
高校も通信で
強迫性障害も出て
息子は
6畳ちょいの部屋でひとり
ひたすら自分と戦っていました。
ゲームのコントローラーのカチャカチャ音
何やらブツブツ言ってる声(音声チック)
啜り泣く声
壁をコンコンと叩く音(運動チック)
ベッドや壁を殴る音
もともと雑音騒音を全部拾ってしまう私。
息子の部屋から
ゴトン！と音がするたびに
飛び上がり
心臓がギュッとなり
呼吸困難になっていました。
「夜中だから！お隣に迷惑だから！
静かにしなさい！」
と、叱ることもありました。
もう私もたまらず眠れず
夜中に
「ちょっと話があるから出て来なさい」
と、一晩中
息子の話を聴くこともありました。
そんな
地獄みたいな6年間の痕跡。
昨年4月に
娘が独立して部屋が空き
息子はそちらに移り
息子が使っていたこの部屋が空きました。
私も一年放置で
物置きになりかけてたのですが
壁を直して
漆喰を塗ろうと決めました。
調べると漆喰って
とっても体に良さそうです。
穴の補修は
意外と簡単で
とっても楽しいw
今は壁紙を剥がしていますが
これがなかなか大変で。
この後、下地剤を塗って
2種類の漆喰(下地用と仕上げ用)を塗ります。
私がひとりでのんびりやっているから
完成はいつになることやらなんだけどw
この壁の穴
私だったら絶対こんなことしない。
だけど
なんだかとても
愛おしいというか
「息子の苦しさを
受け止めてくれたんだねえ
ありがとねえ」と
私は壁に話しかけたくなるのです。
そして
この北向きの
狭い暗い部屋で作業していると
息子はどんなに苦しかったろうと
胸がキュッとなるのです。
息子は小さな頃から
人を攻撃したり
意地悪したりはしない子です。
だからみんなに好かれてた。
でも
怒ることも
イライラムカムカすることも
人間だから当然ある。
人に怒りをぶつけることをしない子だから
自分のお腹に溜めてしまう。
言わないけど
人を責めない分
きっと自分を沢山責めている
自分に腹を立てている。
だからね
物に当たって
ちょっとばかり怒りを発散出来て
良かったのです。
今はもう
息子の部屋から
不穏な音が聞こえてくることはありません。
時々
ウクレレの音が聴こえてきます。
優しい
心地良い音色です。
多かれ少なかれ
きっとみんなが通る
蛹の時期。
殻にこもって
死んでるみたいで
外から観察してる方はハラハラするけれど
本人は殻の中で
カオスを経て
ゆっくり
ゆっくり
大人になっていきます。
自分を固めて行きます。
外側から
蛹をつついたり
揺らしたり
こじ開けたりしなければ
ちゃーんと立派な大人になって
出て来ます。
殻の中は聖域だから
大人が手出ししちゃいけない。
余計な口出しもしてはいけない。
蛹の時期の長い子は
見守る親も大変だけど
子どもの力を
みくびっちゃいけない。
親が
「この子はダメな子」と
決めつけたら
絶対いけません。
虫だってみんなひとりでやってのけるんだもの。
人の子だって
大人になる方法は
ちゃんとわかっています。
大人が邪魔さえしなければ
みんな立派な大人になれます。
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