新しいお母さんになってくださるMさんは、

ジージちゃんの介護を続け、ジージちゃんはその深い愛情の中で虹の橋を渡りました。

 

お部屋の真ん中にはジージちゃんの小さな骨壺。

何枚もの可愛い写真と、そして餌皿の上に新鮮なごはんも供えられていました。どんなに大切にされながら、天寿をまっとうしたかがよく分かります。私たちも手を合わせました。

 

準備してくれたお散歩用の介護カートを一度だけ使い、

虹の橋を渡ったそうです。

 

ジージちゃんは、地域ねこだったそうです。

保護した当時、すでに高齢で、皮膚も眼も、ぐしゃぐしゃな状態だったそうです。

しかもエイズキャリアでしたから疾患が治りにくいところを、Mさんは丁寧に丁寧に向き合っていったのです。

 

皮膚科、眼科、歯科、訪問医。

専門性を活かしたかかりつけ医をそれぞれにもっていました。どれほどジージちゃんが手厚く介護されたことでしょう。

地域ねこで、エイズキャリアで、15-16歳まで生き抜いたジージちゃんは、最後にMさんの深い愛に包まれることができたのです。

 

夢中になりミルクを飲み干しためぐみでしたが、めぐみのミルクに供されたお皿は、ジージちゃんのお供えのお皿でした。Mさんが近くにあったお皿を急遽出してくれたのです。

 

それをジージちゃんが許してくれることも、Mさんは分かり切っていたに違いありません。

 

あの日、あの時のMさんとめぐみの不思議な縁も、ジージちゃんが結んでくれたのかもしれません。

 

 

 

見て下さい、めぐ。笑っているのです。生き生きと。