父親サンタからクール宅急便がきた

かつおのたたきだった

年の瀬用のわりといい器を送ったお返しと思われる

 

あと クリスマスの日にもうひとつプレゼントの予約が入った

この前行った乳がん検診でついに生検を言い渡された

いつか来る と思っていたけどやっぱりきた

2年前の胸の石灰化が 素人の私がみた限りでも増えている

マンモグラフィーを受けた場所を変えたから

より鮮明に見えている のかもしれないが

とにかく曇った顔の医師に

「組織を取って検査をしてください。紹介状を出します」と言われた

こんなうれしくないクリスマスプレゼントがあるとは。

 

病院を出たら 街はクリスマスで

自分以外の人がみんな幸せに見える

 

「幸せになりたい」と前を向きかけたら毎回大きな病気が発覚する

 

もう二度と幸せを望まない か

幸せを求めて死ぬ

 

このふたつしかない人生なのかなあと

とぼとぼ歩いて帰りながら涙が出る

誰かがチラとみても

冷たい風に吹かれているせいよ みたいな顔をして

 

もういっそ

生まれ変わりたいとも思うけど

前回の手術同様

 

悪いものになりかけてたやつをすんでで取ったから大丈夫 になりそうな気もする

 

命を拾った代償に

身体の一部を取られる

そんな人生なのかな

 

こんな悲しいクリスマス生まれて初めて

と思いながら

来年もクリスマスも生きてたらそれでいいかとも思う

 

前回の手術も腫瘍病棟で

次から次にあちこちを切って生きている人がいた

すごく素敵な人で

これから切る人や切って回復中の人を癒して安心させていた

わたしももし同じようになっても

あんな風に人に優しくできるだろうか

 

とりあえず

どんな形でも

生きていれば勝ち

そう思いたい

 

でも今は思えない