明日の収集のためにさっきごみを出しにいったら

アラレが強風に煽られて顔に打ち付けてきた

容赦なくバチバチと

冷たさと痛さで顔が能面のようにこわばる

帰りにエレベーターに乗り合わせた住民の方たちと世間話を交わしたときも

笑顔を作りたいのに顔がこわばってひきつる

絶対に人見知りだと思われたはずだ

違うんです

顔 凍ってるんです

 

それにしても顔の皮膚って強い

毎日化粧をされ

クレンジングをされ

シートマスク さらにスケキヨマスク

そして油分を塗り付けられ

寝ているときにはまくらに押し付けられ

起きたらまた顔を洗われ

陽に焼かれ

風に吹かれ

そして アラレに打ち付けられる

それなのにツヤや透明感やきめの細やかさを求められる

ああ なんとかわいそうな

 

一度は考えたことがあるのではないだろうか

全身が顔の皮膚なら

顔の皮膚で全身を覆えば寒さ暑さどんとこいなのではないだろうか と

私は通学路の帰り道

強風の日やあまりにも寒い日には何度となく思った

「全身が顔なら 全身が顔の皮膚でできていたらこんな寒さなんて」と

だがしかし 一枚皮のはずの人間

顔の皮膚と同じはずなのに内ももの皮膚なんてもうすぐに「ワタシモウダメ」とか言いやがる

一枚の皮なのに

同じはずなのに

 

もしかして 私が知らないだけでほかの人は実はパッチワークのように

顔用の皮膚

その他の皮膚

というようにパーツに分かれ 接いであるのだろうか

 

え こわ

お風呂の鏡見るの こわ

気づかなかったけどテディベアみたいになってたりして

こわ こわこわ