百合の花が好きだ

好きだけど緊張するからそこが嫌いだ

こんなに緊張するのは百合だけだ

百合は好きなのに百合だけが憎い

 

百合の花の花粉は厄介なので

花粉が付く前の花が開いたその日に雄しべの先のブラブラを取ってしまわないといけない

花粉がついてしまったら取るときに花びらを汚したりして残念な気持ちになるから

花が開いて花粉が付くまでの半日ぐらいの間にやってしまわないといけない

そのときが来るまで毎日ドキドキする

それが苦手だ

 

家の百合がそろそろ開きそう

明日かもしれないし明後日かもしれない

最悪なのは明日帰ったらすでに花粉でこふこふしてる雄しべを発見することだ

そおっとブラブラを割りばしで取るときに花びらに気を取られるあまりに花瓶をぶっ倒して大惨事になったことがある身からしたら

こふこふは敵であり 憎しみしか湧かない

でもこふこふさせた百合のほうが香りが強い気がしてならない

こふこふが周囲を汚染しても 簡単に洗い流したりできたらなにもこんな気持ちにならずにいられるというのに

 

こふこふが汚染するから百合が繁栄する

仕方がないのはわかっていても 毎朝起きたら百合の花をチェックするまで気が気じゃないのは

やっぱりちょっとだけ憎たらしい