昨日の私のブログで、私が二十歳の頃経験した成人式の苦しい思い出について書いた。実は、この話には続編がある。
私が喉頭癌になる前くらいに、私の旦那さんが、私に、"ねこたまちゃんと一緒に松本城に行きたい"と言った。私は、"なぜ松本城になんて行きたいんだろう"と思っていると、旦那さんが、"松本城で、着物を着て写真を撮ってくれるサービスがあるから、ねこたまちゃんに振袖を着てもらって、松本城で写真が撮りたい"と言った。
旦那さんは、私が自分の成人式にあった出来事を知っているし、その後も、毎年成人式の日が来る度に、涙する私を見てきている。だから、今更ではあるけど、しっかりした場所で、私の振袖姿の写真を残そうと思ってくれたのだ。
その後、私が喉頭癌になって、しかも退院後の病状もあまり良くならず、今はまだ、長時間のドライブや旅行は出来ない状況だが、旦那さんは今でも、"ねこたまちゃんの体調が良くなったら、絶対松本城に行きたい"と度々言ってくれている。
50近くにもなった私の振袖姿なんて、お世辞にも"綺麗"とは程遠い出来合いになると思う。でも、そんなことより、成人式のことで傷ついた私の心を埋めようとしてくれている旦那さんの優しさが、とても嬉しかった。
私は、もし松本城で振袖姿の写真が撮れたら、私の一連の成人式にまつわる悲しい思い出は、私の心の中で、チャラに出来る気がしている。私が生まれ落ちた家庭は悲しいものではあったけど、自分が選んだ旦那さんとの第二の人生は、こんなに旦那さんからの思いやりに溢れている。それなら、今までどうやっても忘れられなかった成人式の悲しさも、もうチャラにしたっていいと思う。
いつか、私の体調が良くなって、松本城に行ける日が来るといいなぁ。