その昔

私の両親が存命の頃

母が介護施設に入所し

父が一人暮らしになった期間が

ありました

 

毎日父の様子を見に行き

必要があれば世話をする

というような状態でした

 

ある時

父が布団から出てこないことが

ありました

布団をかぶって何か喚きながら

怒っています

 

酔うと

喚いたり怒ったりする人なので

まだお酒が抜けていないのかと

放っておこうとしましたが

 

ふと、異臭がしました

 

どうやら布団の中で

粗相をしてしまった様子

 

そのことが

情けないのか

恥ずかしいのか

または

私に咎められると

思うのか

 

怒って

喚いて

必死に自分を

守っているようでした

 

私は

酔って怒る父や

理不尽なことで怒る父は

大嫌いでしたが

 

その時は

父の悲しみが

理解できて

何とも言えない気持ちになりました

 

できるだけ普通の調子で

たまにはそんなこともあるし

大したことじゃないし

着替えればいいし

布団も交換すればいいし

平気だよ

大丈夫だよ

となだめることで

ようやく父は

布団から顔を出しました

 

 

内心

父がそうなってしまったことに

ショックを覚えたし

粗相の後始末も

抵抗があったし

その上

その時の布団カバーとシーツは

前日、新品に変えたばかりだったので

「よりによって今日?」と

思わないでもなかったのですが

 

おかげで

耐性はできたと思います

 

 

父に言った言葉

 

 たまにはそんなこともあるし

 大したことじゃないし

 着替えればいいし

 布団も交換すればいいし

 平気だよ

 大丈夫だよ

 

っていうのは

実は

自分自身に

言い聞かせていたような

気もします

 

お!

こんなところにも

隠れていましたか

 

「人に言いたいことは

 自分に言いたいこと」

※心屋塾で習ったこと

 

 

義父の介護をするようになって

つくづく

自分の親の介護を

経験しておいてよかった

と思います