先日

本屋さんで

本を物色していると

私のすぐ後ろの方から

 

「ねぇ、お願い

 毎日お手伝いするから

 この本買って」

と懇願する

小学生くらいの

男の子の声が聞こえてきました

 

続いて

「そんなこと言ったって・・・」

と失笑する

母親らしき声と

「毎日なんてムリだよ」

と、これまた笑いながら

つぶやく父親らしき声

 

すっごく気になるけど

すぐ近く過ぎて

うっかり目が合うと

バツが悪くなりそうで

振り向くことが

できませんでした

 

「もし、できなかったら

 どうするの?」

と容赦のないお母さん

 

「大丈夫だから。

 ほんとに、ほんとに

 お手伝いするから。

 ねえ、お願い」

と必死な子供

 

そこまで言うとは

何の本を

欲しがっているんだろう

気になる

気になる

 

親と子の攻防は

しばらく続いていましたが

会話の中からは

どんな本が欲しいのか

見当がつきませんでした

 

私がいたのは

雑誌や

話題の本などが

並べられた

少し開けた場所だったので

特定のジャンルを

しぼることができません

 

私はその場を離れながら

チラッと親子の方を

見ましたが

何の本を見ているのかまでは

見えませんでした

 

親子の近くに

平積みになっていたのは

野球選手の姿が

表紙になっている

啓発本らしきもの

 

あの本かなぁ

違うかなぁ

 

 

その後

別の棚を一周して

再びその辺りに戻ってみると

 

例の親子が

”おむすび”の本を見ながら

楽しそうに話していました

 

もしかして

料理の本が欲しかったのかな?

 

手伝うって言っていたのは

料理のことだったのかな?

 

いろいろ想像を巡らせたものの

結局何もわからないまま

本屋を後にしたのでした