検温モニターの中の女の子

昨日の夕方のこと。

末っ子のツキが修学旅行から戻ってきました。

京都と奈良へ２泊３日の旅でした。

まだ新学期始まったばかりなので新しいクラスでの修学旅行はどうなのかな？と不安でしたが、新しい友達がこの２泊３日の中でできたし楽しめたようです。

戻ってきたツキと私は学校に行くことになりました。

なぜかというと、修学旅行に持っていってはダメと言われたものを持っていき没収されたので親と共に学校で返却されるからです

事前に先生から電話があったので、ツキの迎えに行くのも憂鬱でした。

ツキたちを乗せた観光バスは中学校の近くの運動公園の駐車場に着きました。学校の周りの道は狭く観光バスは停められないため、こちらの駐車場を借りたようでした。

バスが着くなり私にすごい勢いで近づいてきたツキはひとこと

「トイレ！！」

と言いました。

バスに乗ってる間ずっと我慢していたみたいです。

「じゃあ、そこの体育館に借りる？」

と、まだ夕方で開いてた体育館を指差すと

「いやいい！どうせ学校に(怒られに)行かなきゃいけないからそこでする！」

と言いました。

一緒についてきてた空も

「あそこのトイレに入るくらいなら学校まで我慢するよね！」

と、言ってるのですぐ学校へ行くことにしました。

汚いのかな？

学校の駐車場に着くと没収された子の中一番乗りのツキは一目散に校舎へ走って行きました。

校舎の入口で開いてたのは２ヵ所職員室側といつもツキが使ってる昇降口で、ツキは上履きを履くのにいつもの昇降口から入っていったようです。

靴が乱雑に脱ぎ捨てられてたのが外から見えたので。

靴の様子からしてよほどの緊急事態だったみたい

未だコロナ感染予防のため検温モニタが下駄箱の先の廊下の手前に置かれていました。

↑

こういうのですね。

このイラストと違うのは大きなモニターに映し出されるのではなくて、スマホくらいのモニターだけに映される感じです。

見るとそこに黒っぽい服を着た子がまっすぐ立っていました。

顔は良く見えませんが、小柄な女の子というのはわかりました。

職員室側と違い、こちらは生徒たちも帰り電気がついてなかったのでよくこんな暗い場所に１人でいるよなぁ・・・と、思い下駄箱を抜けその女の子が立ってる場所と思われるところを見ると誰もいませんでした。

(あぁ、ツキはトイレに行く前ちゃんとモニターで検温したのね。その映像がまだ映ってるのか。へぇーしばらく記録されるんだ。)

と、思いながらヒョイっと横からそのモニターに自分を映すと急に画面の背景が変わり、まだ少し明るい外と下駄箱を後ろにした斜めになった私が映ったのです。

？？？

近づいてさっきの映像の女の子と同じ位置に行くと

『温度は正常です』

とシーンとした校舎にひびきわたりました。

そこにツキがトイレから戻って来たので

「大丈夫だった？」

「ギリギリセーフだったよ！」

「ねぇ、このモニターって検温したあと画像が記録されて残ってるの？」

「？」

「いや、ツキがずっと映ってたからさ。」

「どういうこと？こわい！私は検温しないですぐトイレに行ったしこれってリアルタイムの映像が映ってるだけだよ！」

「え・・・。」

没収されたものを取りに行ったのはもちろん一番乗りで、みんなあの暗い昇降口から入って来てませんので誰かがモニターに映りパッと隠れたりすることはなかったです。

と、言うかモニターに映り続けてた時とその子がいるであろう場所を横から同時に見てるのであり得ません。

っていうか、何者かに一瞬私は重なった？(笑)

帰りがけに見たモニターは真っ黒になっていて

「誰もいない時は節電であんな風に真っ黒になってるはずだよ。」

と、言ってました。

その何者かが映ってた時のモニターの背景は薄暗く下駄箱も映ってなくて何もない空間のようで、女の子だけが映ってました。

ツキは髪の毛をしばってるはずなのにおかっぱで、結構長く見てましたが顔が見えず頭になにか三角っぽいものを被ってる感じに見えました。

・・・もしかしたら後ろ姿だったのかな？

だとしたらずーっと私のことを見てた？

ヒャ～めちゃくちゃこわい！

ちなみに、ここの昇降口のあたりは空が以前鍵が閉まってて誰もいなかったのに電気がついたり消えたりした場所です。

「空が体験した話」 

『廊下の電気をつける何者か』

めちゃくちゃ長くなりましたが、もう一つ。

空がツキに

「泊まったところでこわいことあった？」

と、聞くと

「ないよ・・・あ！あったかも！」

と言いました。

夜の12時頃、京都の宿のクラスの女子半分が泊まってる部屋で起きました。

どういう宿でどういう部屋かはちょっと聞きそびれてますが、部屋の戸が襖みたいで(笑)今時？って思いましたが、夜中なのにみんなで起きて円形に布団の上に座ったり寝転んだりして話してたら襖がトントンとノックのような感じで音がしたとのこと。

「いま、先生がノックしたみたい！」

とツキはみんなに言うとみんなには聞こえなかったようでした。

でも、ハッキリ聞こえたツキは襖を開けて覗くと廊下には誰も出ておらず誰かがイタズラして隠れた様子もなかったそうです。

それから少し経って目の前の子が

「え～？なに～？」

と、突然大きな声を出し誰かが肩を叩いたと言うんだそうです。

誰も叩いてないのは目の前のツキにはわかってましたが、その子は明らかに手で肩を叩かれたと怯えていたそうです。

「ねぇ、それってツキが襖を開けたからお化けが入ってきたんじゃないの？ツキのせいじゃん！でも、京都って古い街だからいろいろいるのかもね！？」

そんな空も京都のホテルで変な経験をしてました。

「空の修学旅行の話」 

『不登校のさなかの修学旅行 ３』

私の長い時間、結構ハッキリ見てしまった！？体験でした。