「誰かいるのかー!?」
ハッと我に返る。まずい、さっきの物音で用務員のおっさんにでも気付かれたのか、カツカツカツと速足の足音が近づいてくる。罪悪感からか、俺と彼女はとっさに教卓の中にもぐりこむ。別に泥棒しに来てるわけでもないのだが。教室内を懐中電灯の明かりがサーチライトのように照らされている。俺と彼女は息をのんで動けずにいた。…やがて明かりは消え、足音は遠くに去って行った。
教卓から抜け出ると、そこは先ほどと同じ暗い教室。ただ違うのは、俺の手元にしっかりとノートがおさまっていた。やれやれ、たかがノート一冊取りに来ただけでこんなことになるとは…。ふっとさっきまでの事を思い出す…。??、そうだ、俺はこいつと!!先ほどの出来事がみるみる脳内を覆い尽くす。そして恐る恐る彼女の方を見ると…。
「も…もうここには用はないでしょ。さぁ、行くわよ。」
何事もなかったかのように彼女はスタスタと歩き出し、教室を出て行った。俺はさっきまでの出来事を思い出しながらドキドキしながら、時には悶々としながら教室を出て行くのであった。
再び暗い廊下を二人歩いてゆく。彼女は俺の方をちらりとも見ず少し速足で歩いている。なんだか気まずい空気が俺たちを包んでいた。まさか成り行きとは言え、こいつとあんなことになるとは。あのまま誰も来なかったら一体どうなっていたんだろう。そんなことを思いながら校舎出入口に向かっていた。
出入口に着いた俺と彼女。しかし彼女は出入口を通過してさらに先へと進もうとしている。
「おい、帰んないのか?」
俺は問いかける。
「はあ?何言ってんの?まだ私の用が済んでないでしょ。早くアンタも来なさいよ。」
そう言ってさらに校舎の奥へと進んでいく。俺はと言うと正直このまま帰ってもいいんだが…。まあ「乗りかかった舟」ってやつか、再び彼女の後をついていく。そして俺たちが着いた場所は保健室だった。
→TO BE CONTINUED…
ごめん、もう一回か二回ほど続きます(;^_^A
猫のパパ