前回の記事は世間に対して後ろ向きな感じがしたので、本日は「それでも世界は美しい」と思える話を。

※アメフラシは出てきません

 

2年くらい前までは、よく歩道の隅でうずくまってました。

勘違いしないでください。具合が悪くて、ですよ。

 

胃がない私は、食後に具合が悪くなることがよくあります。

 

これには2段階あって、一つは食後15分くらいで来る動悸、息切れです。「救心」のCMではありません。

これを①の症状とします

 

そして食後1時間~2時間後にやってくるのが、くらっときて目の前が白くなって立てなくなる状態。低血糖です。

これを②の症状とします。

 

①は身体的には非常に辛いのですが、意識は比較的しっかりしていることが多いので、倒れる様なことはありません。30分ほどどこかに座って胸を押さえて、鋭い目つきでハーハーと呼吸していれば治ります。端から見ると変質者です。

 

②は意識が遠のくので、やばいです。倒れます。たいていの場合は「あ、来るな」と分かるので、糖を摂取すれば防ぐことができます。

 

問題なのは、この①と②が同時に来るときです。

 

時間がずれているのだから、そんなことはないでしょう?と思いきや、足りない食事量を補うために間食を頻繁にしているので、タイミングが被ることが結構あるのです。

 

そうなると、心臓バクバク状態でうずくまっているところで意識が遠のくという恐ろしい状態になります。

 

ある日、私は新幹線に乗ろうと列に並んでいました。すると、直前に食べたスープによる動悸が始まりました。

しかし、もう体調の変化にはベテランの私。慌てず自然な感じ(?)で胸を押さえ、足を踏ん張りました。

時間が経てば治まるのだから、大丈夫。意識を足に集中して、フラフラしない様にしよう。

もう電車は来るし、座ってしまえば大丈夫。

 

が、その直後、突然目の前が白くなったのです。

「ヤバい」

と思った次の瞬間、後ろに倒れ込みました。

幸いなことに、すぐ後は壁だったので、壁にもたれ込み、そのまま座ってしまいました。

 

さあ、あなたが周りの人だったどうする?

 

え?っとなって、多分数秒間は何もできないですよね。

ちょっと離れていたら何もせずに傍観するか、立ち去ってしまうかも。

 

だって、救急車や駅員さんを呼んだら次の新幹線に乗れなくなってしまう。だからといって、目の前に倒れている人がいるのにそのままそこにいるのは気まずい。

 

そんな風に思った私はきっと冷たい人間です。

 

現実は違いました。すぐに身体を支えてくれたのは高校生くらいの女の子でした。

若いサラリーマン、そして銀座帰り?みたいなちょっと良い服を着ているおばさん(失礼!おばさま)もしゃがみ込んで声をかけてくれます。

 

「救急車」という声が聞こえたので、慌てて「大丈夫です!」と答える。

 

「病気で低血糖によくなるので、しばらくすれば治ります。」

 

そう言うと、本当に大丈夫?みたいに言われましたが、繰り返し「本当に大丈夫ですから」と言うと、皆さんでベンチの所まで連れて行ってくれました。

 

実際、飴でもなめて、しばらくすれば大丈夫。動悸は勝手に治まるし、血糖値が上がれば何でもない。

病院に行ったところで仕方がない。

 

駅員さんに見つかったら救護室へ連れて行かれたかもしれませんが、そのときはそのままベンチに座り、心配をしてくれている方に繰り返し「よくあることなので本当に大丈夫です。電車に乗ってください」と言って、無理矢理電車に乗せました。

文章書いてて思い出した。多分あの時、「すみません」は言っても「ありがとう」は言ってない。自己嫌悪。

 

海外なら分かりませんが、日本なら多分どこでもいつでも倒れても大丈夫と思いましたね。

 

よく人とのつながりが希薄になったとか、日本人は弱者に冷たいなんていわれるけれども、そんなことはないですよ。

たとえ半分の人が私の様に冷たい人間でも、残りの半分はあの女子高生のように気遣いのできる人です。充分でしょう。

 

だから、優先席云々の話ではなくて、ヘルプマークの認知度が上がれば、これは内臓障害者には大変な心強さになります。

よく起こす症状を書いておけば、緊急時に助けてくれた人の判断材料にもなります。連絡先があれば、なおさら。

 

糖質制限をするようになってからは、②の症状は激減しました。なので、今はうずくまることはあっても、倒れる心配はありません(笑)。違いが分かる男になりました。ええ、石丸幹二です(笑)。

これはヘルプマークが必要ないと思う理由の一つでもあります。

 

でも、今後症状が進行したら、やっぱヘルプマーク付けよう!って恥ずかしげもなくブログに書いてしまうのが私の性格なのです。